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vSphere with Tanzu ラボ環境構築。Part-04: NSX Manager デプロイ編

ひきつづき、vSphere with Tanzu ラボ環境を構築していきます。今回は、NSX Manager のデプロイについてです。

vSphere 7.0 U1 から NSX-T は必須ではなくなりました。しかし NSX-T を利用したほうが便利ではあり、vSphere Pod などが利用できるようになります。

 

前回はこちら。

 

一連の投稿のまとめはこちら。

 

今回の内容です。

 

なお、この投稿は NSX-T 3.0 をベースにしていますが、NSX-T 3.1 でも同様にデプロイできます。

 

NSX-T 環境準備について

スーパーバイザー クラスタで NSX-T を利用するため、事前準備をしておきます。下図(以前に掲載した図の流用ですが)の、赤破線あたりです。

 

まず、NSX-T のセットアップとしては、次のような作業が必要です。(厳密には、もうすこし作業が分割されます)

  • NSX Manager のデプロイと vCenter の登録。
  • ESXi を、NSX が利用可能な「ホスト トランスポート ノード」にする。
  • NSX Edge のデプロイして、「Edge トランスポート ノード」のとして準備。
  • NSX の Tier-0 Gateway と、そのアップリンクの作成。

 

vSphere / NSX 以外にも準備するものがありますが、今回は省略しています。実際には下記のような準備が必要です。

  • 時刻同期のため、NTP サーバ。
  • DNS サーバ。vCenter / ESXi / NSX などの正引き(A)、逆引き(PTR)レコードを登録しておく。
  • 当然ながら物理ネットワークの準備も必要。(MTU 設定や、VLAN、ルーティングなど・・・)

 

一方で、上の図中の「Supervisor Control Plane VM」や、それ以下のネットワーク要素のほとんどは、vSphere with Tanzu の機能から自動管理されます。

Tier-0 Gateway と、そのアップリンク(図では t0-uplink)、VLAN 論理セグメントのみを作成しておくと、それ以外のオーバーレイ ネットワークやロードバランサは、スーパーバイザー クラスタの「ワークロード管理」有効化などによって自動作成されます。

それでは、NSX Manager をデプロイします。

 

NSX-T 3.0 評価版の入手

NSX-T 評価版のソフトウェアと評価ライセンスキーの取得方法はいくつかあります。一般的な方法は次の2つだと思います。

 

Evaluation Center(製品評価センター)

これが一番一般的な方法だと思います。仮想アプライアンスの .ova ファイルと、60日間の評価ライセンス キーは、下記のサイトから入手できます。なお、2021年3月時点では、NSX-T 3.1 がダウンロードできます。

 

VMUG Advantage Membersip

年会費 200ドル(たいてい 10% OFF)で、1年間の評価ライセンスが利用できます。ちちなみに、vSphere with Tanzu の評価ラインセスも利用できるので、vSphere / NSX 両方が 1年間継続して評価できるようになります。

 

NSX Manager / NSX Edge の OVA ファイルの入手

評価版のダウンロードサイトで、NSX Manager / NSX Edge それぞれの OVA ファイルをダウンロードしておきます。

 

NSX Manager

これは Unified Appliance と呼ばれ、デプロイの途中のロール指定によって NSX Manager になります。

Unified Appliance の OVA ファイル名は次のようになっています。

nsx-unified-appliance-<バージョン文字列>.ova

 

たとえば、NSX-T 3.1 では次のようなファイル名です。

nsx-unified-appliance-3.1.0.0.0.17107212-le.ova

 

NSX Edge

NSX Edge は、NSX Manager の UI からデプロイ可能なので、基本的には OVA ファイルが不要です。

しかし、このラボではネスト構成のパフォーマンス都合上、ネストの外側の vSphere 環境、つまり NSX  Manager と連携させない vCenter Server 配下に手作業でデプロイします。そのため、Unified Appliance とあわせてダウンロード サイトから OVA ファイルを入手しておきます。

NSX Edge の OVA ファイル名は次のようになっています。

nsx-edge-<バージョン文字列>.ova

 

たとえば、NSX-T 3.1 では次のようなファイル名です。

nsx-edge-3.1.0.0.0.17107215-le.ova

 

NSX Manager のデプロイ

今回は、ハードウェア リソースの都合上、NSX Manager は、スーパーバイザー クラスタにするネステッド vSphere の外側にデプロイします。

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それでは、デプロイ先を右クリック →「OVF テンプレートのデプロイ」から、NSX Manager の OVA ファイルをデプロイします。

パラメータで指定は、冒頭のイメージ図をベースにしています。特に記載のないパラメータは、デフォルト値(もしくは空欄のまま)です。また、指定しているフォルダ、ポートグループ、データストアなどはネスト外側となる vSphere 環境のものです。

 

1 OVF テンプレートの選択

あらかじめダウンロードしておいた Unified Appliance の OVA ファイルを指定します。

 

2 名前とフォルダの選択

仮想マシン名は、 lab-nsx-03 にしています。

デプロイ先のデータセンタ、またはフォルダを選択します。

 

3 コンピューティング リソースの選択

デプロイ先のデータセンタ、クラスタ、またはリソースプールを指定します。

 

4 詳細の確認

確認のみなので、そのまま「NEXT」をクリックして進めます。

 

5 設定

デプロイ構成の選択では、Small(4 vCPU, 16GB RAM)を選択しています。

ちなみに、「デプロイ構成の選択」はデフォルト値が「Medium」ですが「Small」でもラボ構築は可能です。

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6 ストレージの選択

仮想ディスク フォーマットの選択は、シン プロビジョニングで問題ありません。

 

7 ネットワークの選択

Network 1 に、 vCenter / ESXi と通信可能なポートグループを選択します。

 

8 テンプレートのカスタマイズ

NSX Manager 固有のパラメータを入力します。ここでも、特に記載のないパラメータは空欄のまま進めています。

  • System Root User Password: NSX Manager の OS(VM コンソールや SSH)に root ログインするパスワードを入力。
  • CLI “admin” User Password: NSX Manager の Web インターフェースや OS に admin ログインするパスワードを入力。
  • Hostname: lab-nsx-03
  • Rolename: NSX Manager
  • Management Network IPv4 Address: 192.168.10.23
  • Management Network Netmask: 255.255.255.0
  • Default IPv4 Gateway: 192.168.10.1
  • DNS Server list: ラボ環境の DNS を入力。(スペース区切り)
  • Doman Search List: go-lab.jp
  • NTP Server list: ラボ環境の DNS を入力。(スペース区切り)
  • Enable SSH: On
  • Allow root SSH logins: On

  

パワーオンとログイン確認

OVA ファイルのデプロイが完了したら、VM をパワーオンします。しばらく待つと、Web ブラウザから https できるようになります。

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そして、admin ユーザ / デプロイ時指定のパスワード でログインできるはずです。

ちなみに、NSX-T 3.1 からは、UI のデフォルトが ダーク テーマ(黒っぽい UI)になっています。

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NSX 評価ライセンスの追加

Tier-0 ゲートウェイなどを作成するためには、評価ライセンスの追加が必要です。「システム」→「ライセンス」→「追加」から、ライセンス キーを入力しておきます。

ちなみに、画面上部にある青メッセージの「ライセンスの管理」でもこの画面を開けます。

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つづく。