vSphere 7.0 U1 リリースにあわせて、vSphere with Kubernetes が vSphere with Tanzu になりました。そして、NSX-T なしでも Tanzu Kubernetes クラスタを作成できるようになったので、さっそくラボ環境を構築してみました。
製品ドキュメントは下記です。
このうち、NSX-T ではなく vSphere ネットワーク(vDS)を利用する場合の要件は、下記のあたりに説明があります。
ドキュメント以外にも、まず動作する環境を用意したい場合は、下記にある Quick Start Guide が参考になります。
ちなみに、vSphere 7.0 GA の頃と同様に、NSX-T を利用した環境構築も可能です。
手順の流れ
今回は、下記のような流れで説明していきます。
- 前提とするラボ環境の説明(vSphere 環境の構築については省略)
- HAProxy のデプロイ
- 「ワークロード管理」の有効化
- Tanzu Kubernetes クラスタの作成
構成について
ラボの構成イメージは、下記のような感じです。「Ext GW」は各ネットワークのゲートウェイとなるルータです。パラメータの事情説明などは、後続の手順にて・・・
スーパーバイザー クラスタの名前空間、Tanzu Kubernetes クラスタを作成します。vSphere Client での完成イメージは次のような感じです。
- スーパーバイザー クラスタ: wcp-cluster-04
- スーパーバイザー名前空間: lab-ns-41
- Tanzu Kubernetes クラスタ: tanzu-cluster-41
今回の主なソフトウェア構成です。
- vCenter Server 7.0 U1、仮想スイッチは vDS 7.0(NSX-T なし)
- ESXi 7.0 U1
- ロードバランサは HAProxy(OVA は v0.1.8 または v0.1.10 を利用)
前提環境の説明
それでは、これからの vSphere with Tanzu 環境構築の前提とする、ラボ環境について説明します。
vSphere の構築については省略していますが、以前に紹介したものと同様にネステッド環境で構築しています。
vCenter 7.0 U1 に、ESXi 7.0 U1 (4台)のクラスタを構築してあります。
(今回の手順には関係しませんが)クラスタには 3台の vCLS VM が自動デプロイされています。
vSphere HA / DRS も有効化してあります。
仮想スイッチは、バージョン 7.0 の分散仮想スイッチ(vDS) です。
vDS には、vSphere with Tanzu で利用する 3種類のネットワークむけに、それぞれ分散ポートグループを作成してあります。
- 管理ネットワーク: DPortGroup-0010-MGMT、VLAN ID 10
- ワークロード ネットワーク 1(プライマリ): DPortGroup-0021-WL1、VLAN ID 21
- ワークロード ネットワーク 2: DPortGroup-0022-WL2、VLAN ID 22
そして物理ネットワークも、これらの VLAN での通信ができるように構成ずみです。
データストアには、vCenter の機能によるタグを割り当てずみです。また、データストアに割り当てたタグを指定した、仮想マシン ストレージ ポリシーも作成してあります。これらは次のように設定してます。
NFS データストアを、クラスタ内の全 ESXi ホストにマウントしてあります。そして、データストアには、タグ(タグ名は wcp-demo、カテゴリは datastore-category)を割り当ててあります。
データストアに割り当てたタグを指定した、仮想マシン ストレージ ポリシーも作成してあります。
Tanzu Kubernetes Grid のコンテンツ ライブラリも作成してあります。以前は「ワークロード管理」有効化後に作成すればよかったのですが、vSphere 7.0 U1 からは、事前作成が必要になりました。
コンテンツ ライブラリは下記のように作成しています。
今回は、cl-tkg-01 という名前でコンテンツ ライブラリを作成しています。
Tanzu Kubernetes クラスタのノードとしてデプロイされる、OVF テンプレートがダウンロードされています。複数の Kubernetes バージョンのものが用意されていることがわかります。
つづく。