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小規模 VMware Cloud Director 10.4 ラボ構築。Part-01 vSphere の準備

VMware Cloud Director(VCD)の小規模なラボ環境を構築します。まずは、基盤となる vSphere、DNS サーバ、VCD の転送サービス ストレージとして利用する NFS サーバを準備します。

 

前回(全体の流れ)はこちら。

 

今回の内容です。

 

今回は、下記の赤枠あたりを準備します。

 

1. DNS サーバの準備

DNS サーバは、あらかじめ用意してあるものを利用します。今回構築するサーバは、管理ネットワークの A レコードと PTR レコードを登録して、名前解決できるようにしておきます。

分類 サーバ FQDN IP アドレス
vSphere vCenter lab-vc-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.11
vSphere ESXi lab-esxi-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.21
NSX-T NSX Manager lab-nsx-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.31
NSX-T NSX Edge lab-edge-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.41
VCD VCD Appliance lab-vcd-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.61
VCD VCD NFS lab-vcd-nfs-31.vcd.go-lab.jp 192.168.30.69

 

ちなみに、今回の DNS サーバは下記のように Photon OS で作成してあります。

 

2. vSphere の準備

vCenter Server をデプロイして、DRS を有効化した vSphere クラスタを作成してあります。クラスタには、ESXi ホストを登録してあります。

 

2-1. vCenter Server の準備

今回は、vCenter Server 7.0 U3f を使用しています。

vCenter Server Appliance は、VCD で管理する ESXi に相乗りさせます。

 

2-2. vSphere クラスタの設定

vSphere クラスタを作成して、DRS を有効化しておきます。これは、リソース プールを作成するために必要です。そして、あとで VCD での管理対象として登録するためのリソース プールを作成しておきます。

  • vSphere クラスタ名: lab-cluster-31
    • DRS: 有効
  • リソース プール名: rp-lab-vcd-01-system

 

2-3. ESXi の設定

このラボのホストでは、ESXi 7.0 U3f を使用しています。vSphere クラスタには、1台のESXi ホストを追加してあります。

ESXi には、DNS サーバ、NTP サーバのアドレスを設定しておきます。このラボの、DNS サーバと NTP サーバのアドレスは下記です。

  • DNS サーバ: 192.168.30.10
  • ドメイン: vcd.go-lab.jp
  • NTP サーバ: 192.168.30.10

 

2-4. データストアの準備

データストアと、仮想マシン ストレージ ポリシーを用意しておきます。

 

2-4-1. データストアの作成

今回のラボでは ESXi ホストが1台のみなので、ローカル データストアを使用します。

ESXi に搭載してある SSD で、VMFS データストアを作成しておきます。

  • ストレージ 容量: 1 TB
  • タイプ(ファイルシステム): VMFS 6
  • データストア名: ds-vmfs-infra-esxi-31

 

2-4-2. ストレージ プロファイルの作成

VCD では、仮想マシンの配置先をストレージ ポリシーで指定します。そこで、タグ ベースで VMFS データストアを選択して仮想マシンを配置する、ストレージ ポリシーを作成します。

まず、vCenter のカテゴリとタグを作成して、ローカル データストアにタグを割り当てておきます。下記のカテゴリを作成します。

  • カテゴリ名: vcd-storage
  • オブジェクトあたりのタグ数: 1つのタグ
  • 関連付け可能なオブジェクト タイプ: データストア

 

そして、そのカテゴリを使用するタグを作成します。

  • 名前: local-vmfs
  • カテゴリ: vcd-storage

 

このタグは、ローカル データストアに割り当てます。

 

「タグ ベースの配置ルール」を設定した、仮想マシン ストレージ ポリシーを作成しておきます。

  • 仮想マシン ストレージ ポリシー: sp-local-vmfs
  • タグ ベースの配置ルールを有効化: 有効
  • ルール1: 以下のタグ付をされたストレージを使用
    • vcd-storage カテゴリの local-vmfs タグ

 

2-5. 仮想スイッチの準備

分散仮想スイッチを作成して、ESXi のアップリンクを接続しておきます。そして、使用する分散ポートグループは事前に作成しておきます。

 

2-5-1. 分散仮想スイッチ(vDS)の作成

NSX-T のインストール準備として、vDS を作成しておきます。

  • 仮想スイッチの名前: vds-31
  • バージョン: 7.0.3
  • MTU: 1600

このラボでは、ESXi の物理 NIC は 1ポートのみ使用します。ESXi を vDS に接続して、物理 NIC(vmnic0)をアップリンク(uplink1)に割り当てます。

 

2-5-2. 分散ポートグループの作成

外部ネットワーク用の分散ポートグループを作成しておきます。

ポートグループ VLAN おもな用途
dvpg-vlan-30 30
  • 管理ネットワーク
  • ESXi の vmk0 や vCenter などを接続
dvpg-vlan-31 31
  • NSX-T のアップリンクネットワーク
  • VCD の外部ネットワーク
dvpg-vlan-35 35
  • VCD DB のネットワーク
  • VCD Appliance 1台のみが接続
dvpg-edge-trunk 0-4094
  • Edge TEP ネットワーク
  • NSX Edge のアップリンク vNIC を接続
  • 無差別モードと偽装転送を承諾

 

下記のように、分散ポートグループを作成してあります。

 

3. NFS サーバの用意

VCD アプライアンスでは、転送サービス ストレージとして NFS サーバが必要です。

今回はラボ構築なので、ストレージ機器ではなく、下記のように VMware Photon OS で構築してあります。

 

root@lab-vcd-nfs-31 [ ~ ]# cat /etc/photon-release
VMware Photon OS 4.0
PHOTON_BUILD_NUMBER=2f5aad892

 

NFS サーバーのサービスが起動されています。

root@lab-vcd-nfs-31 [ ~ ]# systemctl is-active nfs-server
active

 

NFS として、300 GB程度のボリュームを用意してあります。

root@lab-vcd-nfs-31 [ ~ ]# df -h /nfs/
Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/sdb1       295G   65M  280G   1% /nfs
root@lab-vcd-nfs-31 [ ~ ]# cat /etc/exports
/nfs *(rw,sync,no_subtree_check,no_root_squash)
root@lab-vcd-nfs-31 [ ~ ]# exportfs
/nfs            <world> 

 

つづく。