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小規模 VMware Cloud Director 10.4 ラボ構築。Part-11 経路指定された組織 VDC ネットワークの作成

VMware Cloud Director の小規模なラボ環境を構築します。今回は、vApp 内でルーティングできる「経路指定された組織 VDC ネットワーク」を作成します。

 

前回はこちら。

 

全体の流れはこちら。

 

今回の内容です。

 

下図の赤枠のあたりを構築します。

 

1. 経路指定された組織 VDC ネットワークの作成 #1

1つめの経路指定された組織 VDC ネットワークを作成します。

テナント ポータルに、組織管理者(org-01-admin ユーザ)でログインして作業します。

「ネットワーク」→「ネットワーク」を開き、「新規」をクリックします。

 

「範囲」画面で、組織 VDC を選択して「次へ」をクリックします。

  • 組織仮想データセンター: org-vdc-01

 

ネットワーク タイプを選択して、「次へ」をクリックします。

  • ネットワーク タイプ: 経路指定

 

「Edge 接続」画面で、接続する Edge Gateway を選択して「次へ」をクリックします。

  • Edge 接続: org-01-edge-01

 

「全般」画面で、作成するネットワークの名前と、ゲートウェイ CIDR を入力して「次へ」をクリックします。

  • 名前: orgvdc-routed-nw-01
  • ゲートウェイ CIDR: 10.0.1.1/24

 

「固定 IP プール」画面で、IP 範囲を追加して「次へ」をクリックします。

  • IP 範囲: 10.0.1.100 - 10.0.1.199

 

「DNS」画面で、DNS サーバの情報を入力して「次へ」をクリックします。

  • プライマリ DNS: 192.168.30.10
  • DNS サフィックス: vcd.go-lab.jp

 

「設定内容の確認」画面が表示されるので「完了」をクリックします。

 

これで、組織 VDC ネットワークが作成されました。

 

2. 経路指定された組織 VDC ネットワークの作成 #2

同様に、2つめの経路指定された組織 VDC ネットワークを作成します。赤字部分が、1つめのネットワークとの差分設定です。

  • 1. 範囲
    • 組織仮想データセンター: org-vdc-01
  • 2. ネットワーク タイプ: 経路指定
  • 3. Edge 接続: org-01-edge-01
  • 4. 全般
    • 名前: orgvdc-routed-nw-02
    • ゲートウェイ CIDR: 10.0.2.1/24
  • 5. 固定 IP プール
    • IP 範囲: 10.0.2.100 - 10.0.2.199
  • 6. DNS ※あえて 1つめのネットワークとは別設定にしています。
    • プライマリ DNS: 8.8.8.8
    • セカンダリ DNS: 空欄
    • DNS サフィックス: 空欄

 

3. 動作確認用 vApp の作成

作成した 2つの組織 VDC ネットワークを利用する vApp を作成して、実際にルーティングできるか確認します。

下記で作成した vApp テンプレート(vapp-template-01)から、vApp を作成します。

仮想マシンは、下記のようにネットワーク接続します。

  • vm01 → orgvdc-routed-nw-01(10.0.1.0/24)
  • vm02 → orgvdc-routed-nw-02(10.0.2.0/24)

 

テナント ポータルで、「アプリケーション」→「仮想アプリケーション」を開き、「新規」→「カタログから vApp を追加」をクリックします。

 

「ターゲット仮想データセンターの選択」で、組織 VDC を選択して「次へ」をクリックします。

  • 組織 VDC: org-vdc-01

 

「インポートするテンプレートを選択」で、vApp テンプレートを選択して「次へ」をクリックします。

  • テンプレート: vapp-template-01

 

「名前の選択」画面で、vApp の名前を入力して「次へ」をクリックします。

  • 名前: vapp-04

 

「リソースの構成」では、そのまま「次へ」をクリックします。

 

「コンピューティング ポリシー」画面は、そのまま「次へ」をクリックします。

 

「ハードウェアをカスタマイズ」画面も、そのまま「次へ」をクリックします。

 

「ネットワークの構成」画面では、仮想マシンごとに別の組織 VDC ネットワークを選択して「次へ」をクリックします。

  • 詳細ネットワークのワークフローに切り替える: ON
  • vm01
    • ネットワーク: orgvdc-routed-nw-01
    • IP 割り当て: IP プール
  • vm02
    • ネットワーク: orgvdc-routed-nw-02
    • IP 割り当て: IP プール

 

「設定内容の確認」が表示されるので、「完了」をクリックします。

 

作成された vApp(vapp-4)を開きます。

 

vapp-04 の「ネットワーク図」を開くと、仮想マシンがそれぞれ別のネットワークに接続されていることがわかります。

 

vApp(の仮想マシン)を起動するまえに、疎通確認をしやすいようにゲスト OS の設定を変更しておきます。

vapp-04 の「仮想マシン」→「vm01」を開きます。

 

vm01 の「ゲスト OS のカスタマイズ」→「編集」をクリックします。

 

「ゲスト プロパティの編集」画面で、下記を入力て「次へ」をクリックします。

  • 全般
    • ゲストのカスタマイズを有効化: ON
  • パスワードのリセット
    • ローカル管理者パスワードを許可: ON
    • パスワードを自動生成: OFF
    • パスワードを指定: VMware1!
  • スクリプト
    • スクリプト ファイル: (下記の2行を入力)
systemctl stop iptables
systemctl disable iptables

 

「vm02」についても、vm01 と同様に設定しておきます。

 

その後、vApp の「開始」をクリックして、仮想マシンをパワーオンします。

 

4. 組織 VDC ネットワーク間でのルーティング確認

vm01 と vm02 の各行の後方を確認すると、組織 VDC ネットワークに設定した IP アドレス プールからアドレスが割り当てられていることがわかります。

今回の仮想マシンには、下記のように IP アドレスが割り当てられています。

  • vm01 → 10.0.1.100
  • vm02 → 10.0.2.100

 

vm01 の仮想マシン コンソールを開いて、組織 VDC ネットワーク間でルーティングされていることを確認しておきます。

 

テナント コンソールで表示されていた IP アドレスが、vm01 のゲスト OS にも設定されていることを確認します。

root@vm01 [ ~ ]# ip address show dev eth0

 

vm01 から vm02 へ ping を実行して、応答があることを確認します。

root@vm01 [ ~ ]# ping 10.0.2.100

 

実際にコマンドを実行すると、下記のように確認できるはずです。

 

つづく。