VMware Cloud Foundation(VCF)9.0 の vCenter で、Foundation ロード バランサを使用したスーパーバイザーを有効化してみます。今回は、クラスタでスーパーバイザーを有効化します。
前回はこちら。
今回の内容です。
1. スーパーバイザーの有効化
vSphere Client で、「スーパーバイザー管理」画面を開き、「開始する」をクリックします。

クラスタを管理する vCenter 、ネットワーク スタック、ロード バランサ タイプを選択します。
- vCenter Server システムの選択:M01-VC.VCF.GO-LAB.JP (NSX をサポート)
- ネットワーク スタックの選択:vSphere Distributed Switch (VDS)
- ロード バランサ タイプ:Foundation ロード バランサ

スーパーバイザを有効化するクラスタを選択します。この環境では vSphere Zone が未作成なので、「クラスタのデプロイ」を開きます。

スーパーバイザーの配置に関連する情報を入力して、「次へ」をクリックします。
- スーパーバイザー名:sv-01
- クラスタの選択:m01-vc.vcf.go-lab.jp(vCenter)→「vcf-m01-cl01」クラスタ
- vSphere Zone 名:zone-01

スーパーバイザー制御プレーン VM の仮想マシン ストレージ ポリシーを選択して、「次へ」をクリックします。
- 制御プレーン ストレージ ポリシー:vSAN Default Storage Policy

管理ネットワークの設定値を入力して、「次へ」をクリックします。
- ネットワーク モード:静的
- ネットワーク:vcf-m01-cl01-vds01-pg-vm-mgmt
- IP アドレス:192.168.70.90-192.168.70.97(Foundation LB VM の管理ネットワーク IP アドレスも、この IP アドレスから採番されます)
- サブネット マスク:255.255.255.0
- ゲートウェイ:192.168.70.1
- DNS サーバ:192.168.70.51
- DNS 検索ドメイン:vcf.go-lab.jp
- NTP サーバ:192.168.70.51

ワークロード ネットワークの設定値を入力して、「次へ」をクリックします。
- ネットワーク モード:静的
- Kubernetes サービスの内部ネットワーク:10.96.0.0/23 ※デフォルトのまま
- ポートグループ:vcf-m01-cl01-vds01-pg-wl01 ※事前作成した VLAN 79 のポートグループ。クイック フィルタに名前の一部を入力すると選択しやすくなります。
- ネットワーク名:ポートグループ名と同じものが自動入力される
- レイヤー 3 のルーティング構成
- IP アドレス範囲:192.168.79.200-192.168.79.250
- サブネット マスク:255.255.255.0
- ゲートウェイ:192.168.79.1
- DNS サーバ:192.168.70.51
- NTP サーバ:192.168.70.51

ロード バランサの設定値を入力して、「次へ」をクリックします。
- 名前:flb-sv-01
- ネットワーク トポロジ:ワンアーム
- サイズ:小
- 高可用性:1 ※デフォルトは2。
- 仮想サーバ ネットワーク
- 仮想 IP アドレス範囲:192.168.79.180 - 192.168.79.199(ワークロード ネットワークの IP アドレス範囲とは重複しないように指定する)

スーパーバイザー制御プレーンのサイズなどを指定して、「次へ」をクリックします。
- スーパーバイザー制御プレーンのサイズ:小 (CPU: 4、メモリ: 16 GB、ストレージ: 48 GB)
- API サーバの DNS 名:空欄のまま
- 設定のエクスポート:ON
次の画面に遷移すると同時に、設定情報の .zip ファイルが Web ブラウザの機能でダウンロードされます。

設定した情報を確認して、「完了」をクリックします。

スーパーバイザー有効化の処理が開始されます。

しばらく待つと、スーパーバイザー有効化の処理が完了し、「構成ステータス」と「ホストの構成ステータス」が「実行中」になります。そして、制御プレーン ノードのアドレス(フローティング IP アドレス)が表示されます。
- 制御プレーン ノードのアドレス:192.168.79.180

2. スーパーバイザー制御プレーン VM の Web ページ確認
制御プレーン ノードのアドレス(フローティング IP アドレス)に HTTPS でアクセスし、証明書エラーを無視して進みます。

下記のように、VCF CLI や kubectl のダウンロード ページが表示されます。

3. スーパーバイザーの様子
スーパーバイザーが有効化されたクラスタでは、Supervisor Control Plane VM と ESX ホストが Kubernetes ノードになります。
「スーパーバイザー管理」→「スーパーバイザー」タブの「sv-01」→「監視」タブを開くと、ESX ホスト3台と、Supervisor Control Plane VM 1台がノードとして構成されています。

Supervisor ControlPlane VM は 1台のみ展開され、管理ネットワークとロード バランサの仮想サーバ ネットワークのポートグループに接続されて、IP アドレスが設定されています。
- 管理ネットワーク:192.168.70.90(フローティング IP アドレス)、192.168.70.91
- 仮想サーバ ネットワーク:192.168.79.200

Foundation LB VM も 1台展開されており、管理ネットワークと仮想サーバ ネットワークのポートグループに接続されています。
- 管理ネットワーク:192.168.70.95(スーパーバイザーの管理ネットワークで設定した IP 範囲の6つめ)
- 仮想サーバ ネットワーク:192.168.79.200

おまけ:スーパーバイザーの無効化
スーパーバイザー有効化の処理に失敗したり、検証をやりなおす場合には、スーパーバイザーを無効化します。
「スーパーバイザー管理」画面でスーパーバイザーを選択して、「無効化」をクリックします。

確認画面が表示されるので、「このアクションを続行することを確認」を ON にして、「無効化」をクリックします。

スーパーバイザー無効化の処理が開始されます。

少し待つと、「スーパーバイザー管理」の画面が有効化前の状態に戻ります。

つづく。