VMware Cloud Foundation(VCF)9.0 で、NSX の VPC を使用したスーパーバイザーを有効化してみます。今回は、このラボ環境と事前準備について説明します。
今回の内容です。
1. VCF の用意
理想的には、vSphere Supervisor は VCF のワークロード ドメインで有効化します。しかし、今回は小規模の検証環境を用意したいので、管理ドメインで有効化します。
2. データストアと仮想マシン ストレージ ポリシー
スーパーバイザーを有効化すると展開される Supervisor Control Plane VM のデータストアには、VCF の管理ドメインの展開で構成された vSAN データストアをそのまま利用します。ストレージ ポリシーも、管理ドメインの展開で自動作成されたものを使用します。
3. SCSI コントローラー互換性アラートの抑止
スーパーバイザーを有効化する際に、Skyline Health で SCSI コントローラー互換性のエラーを検知すると、処理がスタックしてしまいます。そこで、事前にアラートを抑止しておきます。なお、このラボはネスト構成なのでアラートが検出されていますが、本来は互換性のある SCSI コントローラーが必須です。
vSAN クラスタの「監視」タブ →「Skyline Health」を開き、「SCSI コントローラーが VMware によって認定済み」の「サイレンス アラート」をクリックします。

確認画面が表示されるので、「はい」をクリックします。

これで、アラートが抑止(「サイレンス」タブに移動)されました。

4. 物理ネットワークの準備
外部ネットワークで、VLAN とゲートウェイの IP アドレスを設定しておきます。
4-1. VLAN とゲートウェイの IP アドレス
外部ネットワークのルーター、スイッチでは、事前に NSX のアップリンクと TEP が使用する VLAN とゲートウェイを構成しておきます。
- TEP
- VLAN ID:75
- ゲートウェイ:192.168.75.1/24
- アップリンク #1
- VLAN ID:76
- ゲートウェイ:192.168.76.1/24
- アップリンク #2
- VLAN ID:77
- ゲートウェイ:192.168.77.1/24
NSX VPC の外部 IP アドレス ブロックに指定するネットワークアドレスは、NSX Edge 配下に接続されるため、外部ルーターには VLAN とゲートウェイは設定しません。このネットワークは、あとで自動構成されます。
- VPC の外部 IP アドレス ブロック
- VLAN ID:なし
- IP アドレス ブロック:192.168.78.0/24
4-2. ルーティング
一般的には、外部ネットワークとスーパーバイザーとのルーティングでは BGP を使用します。しかし、今回は小規模なラボなので、スタティック ルートを設定してみます。
今回の外部ルータは 1台だけの非冗長構成ですが、NSX Edge をデプロイする「ネットワーク接続の構成」のウィザードでは、2つのアップリンクのネットワークが必須になります。
そこで、外部ルータでは、メトリックの異なるスタティックルートを設定してあります。ちなみに、ルータにはなぜか CentOS 8 を使用しています。
ルーターには、下記のように、アップリンクの VLAN 76 と VLAN 77 のインターフェイスを用意してあります。
[root@vcf-gw-01 ~]# ip -brief address show dev ens162 ens162 UP 192.168.76.1/24 [root@vcf-gw-01 ~]# ip -brief address show dev ens194 ens194 UP 192.168.77.1/24
ルートの宛先は、NSX VPC の外部ネットワークで、ネクストホップは、NSX Edge(Tier-0 ゲートウェイ)の HA VIP アドレスです。
- NSX VPC 外部ネットワーク:192.168.78.0/24
- NSX Edge(Tier-0 ゲートウェイ)の HA VIP アドレス
- 192.168.76.0/24、VLAN 76:192.168.76.11
- 192.168.77.0/24、VLAN 77:192.168.77.11
1つめのルートを追加します。
[root@vcf-gw-01 ~]# nmcli connection modify ens162 +ipv4.routes "192.168.78.0/24 192.168.76.11 100" [root@vcf-gw-01 ~]# nmcli connection up ens162 接続が正常にアクティベートされました (D-Bus アクティブパス: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/120604)
2つめのルートを追加します。
[root@vcf-gw-01 ~]# nmcli connection modify ens194 +ipv4.routes "192.168.78.0/24 192.168.77.11 200" [root@vcf-gw-01 ~]# nmcli connection up ens194 接続が正常にアクティベートされました (D-Bus アクティブパス: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/120605)
これで、下記スタティック ルートが追加されています。
[root@vcf-gw-01 ~]# ip route show 192.168.78.0/24 192.168.78.0/24 via 192.168.76.11 dev ens162 proto static metric 100 192.168.78.0/24 via 192.168.77.11 dev ens194 proto static metric 200
5. 仮想ネットワークの用意
手順の中で NSX Edge 展開されますが、接続されるポートグループは下記のようになります。
- 管理ネットワーク:今回は、VCF の管理ドメインの展開で作成されたものを使用します。
- アップリンク:Edge ノードの展開時に、ポートグループも自動作成されます。
- TEP:アップリンクと同様に、自動作成されたポートグループが使用されます。
今回は、スーパーバイザー制御プレーンの管理ネットワークを、vDS の分散ポートグループに接続に接続します。これも、VCF の管理ドメインの展開で作成されたものを使用します。
つづく。