ネステッド ESXi 環境を利用した NSX ラボを構築します。今回は、今回はオーバーレイ セグメントむけに、NSX による DHCP サーバを作成します。
- ラボの概要: Step-01: はじめに
- 前回の投稿: Step-09: オーバーレイ セグメントの作成
今回の内容です。
今回は、NSX による DHCP サービスを利用できるように、Tier-1 ゲートウェイと各 NSX セグメントで DHCP を構成します。
1. DHCP プロファイルの作成
まずは、DHCP サービスを提供する NSX Edge の選択などを設定する、DHCP プロファイルを作成します。
NSX Manager で、「ネットワーク」タブ→「設定」→「ネットワーク プロファイル」→「DHCP」タブを開き、「DHCP プロファイルの追加」をクリックします。
DHCP プロファイルに設定するパラメータを入力します。
- プロファイル名: dhcp-profile-01
- プロファイル タイプ: DHCP サーバ ※デフォルトのまま
- Edge クラスタ: edge-cluster-21
そして「保存」をクリックします。
これで、DHCP プロファイルが作成されました。
DHCP サーバの IP アドレスは空欄のままにしていたので、デフォルトの「100.96.0.1/30」が設定されています。ただし、このアドレスへの経路は自動設定されるので、基本的には意識しなくてよいかと思います。
このアドレスとは別に、後続の手順で DHCP を利用するセグメントごとに、DHCP サーバの IP アドレスを設定することになります。
2. Tier-1 ゲートウェイでの DHCP 構成
このラボでは、オーバーレイ セグメントを Tier-1 ゲートウェイに接続しています。DHCP サーバを利用する前提として、Tier-1 ゲートウェイでも DHCP の構成が必要です。
「ネットワーク」タブ→「接続」→「Tier-1 ゲートウェイ」を開くと、以前の投稿で作成した Tier-1 ゲートウェイ「t1-gw-21」が存在します。
t1-gw-21 の「編集」を開きます。
「DHCP の構成」をクリックします。
次のように選択してから、「適用」をクリックします。
- タイプ: DHCP サーバ
- DHCP サーバ プロファイル: dhcp-profile-01 ※さきほど作成したもの
DHCP の構成に「ローカル | 1サーバ」と表示されます。
「保存」をクリックします。
そして、画面下にスクロールして「編集を終了」をクリックします。
3. セグメントでの DHCP 構成
オーバーレイ セグメントで、DHCP サーバを構成します。
3-1. オーバーレイ セグメントでの DHCP 構成(seg-overlay-01)
「ネットワーク」タブ→「接続」→「セグメント」→「セグメント」タブを開くと、以前の投稿で作成したオーバーレイ セグメント「seg-overlay-01」が存在します。このセグメントのネットワーク アドレスは 172.16.1.0/24(ゲートウェイは 172.16.1.1)です。
seg-overlay-01 の「編集」を開きます。
「DHCP 構成を行う」をクリックします。
「DHCP 構成の設定」画面が表示されるので、次のようにパラメータを入力します。
- DHCP タイプ: セグメントの DHCP サーバ
- DHCP プロファイル: dhcp-profile-01 ※さきほど作成したもの
- DHCP サーバ アドレス: 172.16.1.254/24
※オーバーレイ セグメントのネットワーク アドレスから指定 - DHCP 範囲: 172.16.1.101-172.16.1.199
※これもオーバーレイ セグメントのネットワーク アドレスから指定 - DNS サーバ: 192.168.1.101、192.168.1.102
入力したら、「適用」をクリックします。
セグメントの編集画面に戻るので「保存」をクリックします。
「編集を終了」をクリックします。
これで、このセグメントで DHCP サーバが利用できるようになります。
サブネットの「サブネット」フィールドがハイパーリンクになり、クリックすると DHCP の構成が確認できるようになります。
DHCP オプションの設定については下記もどうぞ。
3-2. オーバーレイ セグメントでの DHCP 構成(seg-overlay-02)
同様の手順で、オーバーレイ セグメント「seg-overlay-02」でも DHCP サーバを構成します。
seg-overlay-02 の DHCP 構成では、次のようにパラメータを入力します。赤字部分が、seg-overlay-01 との差分です。
- DHCP タイプ: セグメントの DHCP サーバ
- DHCP プロファイル: dhcp-profile-01
- DHCP サーバ アドレス: 172.16.2.254/24
- DHCP 範囲: 172.16.2.101-172.16.2.199
※これもオーバーレイ セグメントのネットワーク アドレスから指定 - DNS サーバ: 192.168.1.101、192.168.1.102
4. ゲスト OS でのネットワーク設定確認
テスト用 仮想マシン(vm01 ~ vm02)のゲスト OS でネットワーク サービスを再起動して、DHCP によってネットワークを設定します。
# systemctl restart systemd-networkd
仮想マシンの IP アドレスが、DHCP 範囲から設定されたことを確認します。
ゲスト OS にログインすると、IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、DNS サーバ アドレスが DHCP 構成をもとに設定されていることが確認できます。
つづく。