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自宅ラボ NSX 4.1 の構築。Step-09: オーバーレイ セグメントの作成

ネステッド ESXi 環境を利用した NSX ラボを構築します。今回は、今回はオーバーレイ セグメントを作成します。

 

今回の内容です。

 

今回の範囲は、下記の赤枠のあたりです。

 

1. テスト用 仮想マシンの用意

今回は、ネットワーク疎通確認で利用する仮想マシンとして Linux を利用します。

 

1-1. OVA ファイルのダウンロード

今回の Linux は、VMware Photon OS 5.0 を利用します。OVA ファイルを、下記からダウンロードしておきます。

 

1-2. OVA ファイルのデプロイ

vSphere Client で、lab-cluster-22 クラスタ配下の ESXi ホストに 4台の仮想マシン(vm01 ~ vm04)をデプロイします。OVA を4回デプロイ、もしくはデプロイ直後の仮想マシンを、パワーオン前にクローンします。

  • ESXi: lab-esxi-123.go-lab.jp
    • vm01、vm02
  • ESXi: lab-esxi-124.go-lab.jp
    • vm03、vm04

 

1-3. ゲスト OS の設定

仮想マシンをパワーオンして、疎通確認で利用するための設定をしておきます。

仮想マシンのコンソールから、root ユーザでログインします。

  • ユーザ: root
  • 初期パスワード: changeme ※初回ログイン時にパスワード変更

 

ゲスト OS 内のホスト名を設定します。

# hostnamectl set-hostname vm01

 

ゲスト OS 内のファイアウォール機能(iptables)を停止しておきます。

# systemctl stop iptables
# systemctl disable iptables

 

Web コンソールから実行すると、下記のようになります。

 

2. オーバーレイ セグメントの作成

GENEVE によるオーバーレイ セグメントを作成します。

オーバーレイ セグメントは独立した状態で作成することもできます。しかしここでは、あとで他のネットワークとルーティングできるように Tier-1 ゲートウェイに接続しておきます。

 

2-1. オーバーレイ セグメントの作成(seg-overlay-01)

VLAN のセグメントの作成と同様に、NSX Manager で、「ネットワーク」タブ→「設定」→「セグメント」→「NSX」タブを開き、「セグメントの追加」をクリックします。

 

次のようにパラメータを入力して、下にスクロールします。

  • セグメント名: seg-overlay-01
  • 接続されたゲートウェイ: t1-gw-21 | Tier1
  • トランスポート ゾーン: nsx-overlay-transportzone
    ここで選択するトランスポート ゾーンの種類によって、セグメントの種類(VLAN / オーバーレイ)が決まります。
  • サブネット: 172.16.1.1/24
    ここではネットワーク アドレスではなく、Tier-1 ゲートウェイに接続した際に新規作成するゲートウェイ アドレスを CIDR 形式で入力します。

「保存」をクリックします。

 

「この Segment の設定を続行しますか?」では「いいえ」をクリックして、セグメントの設定を終了します。

 

これで、オーバーレイ セグメントが作成されました。

 

2-1. オーバーレイ セグメントの作成(seg-overlay-02)

同様に、2つめのオーバーレイ セグメントを作成します。1つめのセグメントとのパラメータ差分は、赤字部分です。

  • セグメント名: seg-overlay-02
  • 接続されたゲートウェイ: t1-gw-21 | Tier1
  • トランスポート ゾーン: nsx-overlay-transportzone
  • サブネット: 172.16.2.1/24

 

3. オーバーレイ セグメントの vNIC への割り当て

作成したオーバレイ セグメントは、標準ポートグループ / 分散ポートグループと同様に、vSphere Client などから、VM の vNIC にポートグループとして割り当てます。

vm01 の「設定の編集」画面で、vNIC である「ネットワーク アダプタ 1」に、さきほど作成したセグメント「seg-overlay-01」を割り当てられます。



 

NSX のセグメントは、「ネットワークの選択」画面などで通常のポートグループと同様に選択できます。

 

2つの VM「vm01」と「vm02」の vNIC を、seg-overlay-01 に割り当てて、vDS のトポロジを表示すると、下記のように見えます。

これで、「vm01」と「vm02」は同一の L2 ネットワークに接続された状態になりました。

f:id:gowatana:20210210022726p:plain

 

仮想マシンの vNIC には、下記のようにオーバーレイ セグメントを割り当てます。

  • vm01: seg-overlay-01
  • vm02: seg-overlay-01
  • vm03: seg-overlay-02
  • vm04: seg-overlay-02

 

各 ESXi ホスト(ホスト トランスポート ノード)で仮想マシンがオーバーレイ ネットワークに接続されたことで、NSX Edge やコンピュート用 ESXi ホストの TEP にて、トンネルが構成されます。

コンピュート用 ESXi ホストで、トンネルが3つ構成されました。

 

NSX Edge ノードでも、トンネルが3つ構成されました。

 

4. 疎通確認について

テスト用の仮想マシンのゲスト OS 内で IP アドレスを設定すると、仮想マシン同士や、さきほどオーバーレイ セグメントに設定したゲートウェイ アドレスに通信できるようになっています。ここでは、ping で疎通確認しておきます。

 

4-1. テスト用 仮想マシン(ゲスト OS)への IP アドレス設定

このラボではオーバーレイ ネットワーク向けに DHCP サーバを用意する予定ですが、現時点では、テスト用の仮想マシンに手作業で一時的な IP アドレスを設定します。

 

vm01 に root ログインして、下記のように IP アドレスとデフォルトゲートウェイを設定します。

# ip addr add dev eth0 172.16.1.100/24
# ip route add default via 172.16.1.1

 

vm03 でも、同様に設定します。

# ip addr add dev eth0 172.16.2.100/24
# ip route add default via 172.16.2.1

 

vm01 から、同じオーバーレイ ネットワークのデフォルト ゲートウェイ宛に ping で疎通確認しておきます。

# ping 172.16.1.1

 

下記のように、通信できることが確認できます。

 

同様に、vm01 から別のオーバーレイ ネットワークにある vm03 宛にも、ping で疎通確認しておきます。

# ping 172.16.2.100

 

つづく。