VMware Cloud Director(VCD)で、ネステッド ESXi のラボ環境を構築します。
ネステッド ESXi(仮想マシンのインストールされた ESXi)を利用する環境では、ESXi 仮想マシンの vNIC を接続するポートグループ / ネットワークに設定を追加して、ESXi 仮想マシン上で起動された仮想マシン(ネステッド仮想マシン)がネストの外側と通信できるようにする必要があります。
今回は、そのための設定を NSX-T と VCD で実施します。
前回はこちら。
今回の内容です。
今回は、下記のあたりの作業を進めます。
1. NSX-T での準備
まず NSX-T で、オーバーレイ セグメントで MAC ラーニングを有効化するセグメント プロファイルである「MAC アドレス検出プロファイル」を作成しておきます。
1-1. セグメント プロファイルの作成
NSX Manager で、「ネットワーク」→「接続」→「セグメント」→「プロファイル」タブを開きます。そして、「セグメント プロファイルの追加」→「MAC アドレス検出」をクリックします。
セグメント プロファイルの設定を入力して、「保存」をクリックします。
- セグメント プロファイルの名前: seg-profile-mac-learn-01
- MAC ラーニング: 有効
これで、「MAC アドレス検出プロファイル」が作成できました。
2. VCD プロバイダ管理者での設定
VCD のプロバイダ ポータルにログインして、NSX-T で作成したセグメント プロファイルを利用するための設定をします。
2-1. セグメント プロファイル テンプレートの作成
VCD のプロバイダ ポータルで、セグメント プロファイル テンプレートを作成します。
「リソース」→「インフラストラクチャ リソース」→「NSX-T」→「セグメント プロファイル テンプレート」→「テンプレート」タブを開いて、「新規」をクリックします。
「全般設定」画面で、テンプレート名を入力して「次へ」をクリックします。「説明」欄の入力は任意です。
- テンプレート名: seg-template-profile-01
「ソース NSX-T Manager の選択」画面で、NSX-T Manager を選択して「次へ」をクリックします。
- NSX-T Manager の名前: lab-nsx-31
「セグメント プロファイルの選択」画面で、MAC アドレス検出プロファイルのみ選択変更して「次へ」をクリックします。
- MAC アドレス検出: seg-profile-mac-learn-01
「設定内容の確認」画面で、「完了」をクリックします。
これで、セグメント プロファイル テンプレートが作成されました。展開すると、選択したプロファイルとその設定内容を確認できます。
2-2. 組織 VDC の作成
VCD のセグメント プロファイル テンプレートは、組織 VDC ごとに設定できます。今回は既存環境に影響を与えないように、新規の組織 VDC を作成します。
プロバイダ ポータルの「リソース」→「クラウド リソース」→「組織 VDC」を開いて、「新規」をクリックします。
「全般」画面で VDC の名前を入力して「次へ」をクリックします。
- 名前: org-vdc-02
「組織」画面で、VDC を作成する組織を選択して「次へ」をクリックします。
- 名前: demo-org-01
「プロバイダ VDC」を選択して「次へ」をクリックします。
- 名前: provider-vdc-01
「割り当てモデル」を選択して「次へ」をクリックします。
- 割り当てモデル: 従量課金制
「従量課金制」でのリソース割り当て設定画面は、デフォルトのまま「次へ」をクリックします。
「ストレージ ポリシー」画面では、ストレージ ポリシーとプロビジョニング方式を選択して「次へ」をクリックします。
- ストレージ ポリシー: sp-local-vmfs を選択
- シンプロビジョニング: 有効
- 高速プロビジョニング: 有効
「ネットワーク プール」を選択して、「次へ」をクリックします。
- ネットワーク プール: overlay-nw-pool-01
「設定内容の確認」画面で、「完了」をクリックします。
これで、組織 VDC が追加作成されました。
2-3. 組織 VDC でのセグメント プロファイル テンプレート設定
作成した組織 VDC の名前をクリックして、設定画面を開きます。
- 組織 VDC: org-vdc-02
組織 VDC の「ネットワーク」→「セグメント プロファイル テンプレート」にて、「編集」をクリックします。
vApp ネットワークのセグメント プロファイル テンプレートを選択して、「保存」をクリックします。
- vApp ネットワーク: seg-profile-template-01
これで、組織 VDC で作成される vApp ネットワークで「MAC アドレス検出」セグメント プロファイルが設定されるようになります。
3. 組織 VDC ネットワークの作成
今回は vApp の ESXi 仮想マシンを直接外部ネットワークに接続するため、プロバイダ VDC の外部ネットワークに対応する、組織 VDC ネットワークを作成しておきます。
ここで作成するネットワークは、ネステッド環境特有の設定をしない、一般的な設定のネットワークです。
このラボでは、以前に下記のように外部ネットワークを作成しています。そのため、プロバイダ VDC 側での外部ネットワークは、すでに作成してある前提としています。
さきほど作成した組織 VDC に、ネットワークを作成します。
プロバイダ ポータルに管理者ユーザでログインした状態で、組織 VDC「org-vdc-02」のアイコンからテナント ポータルを開きます。
組織 VDC の「ネットワーク」画面で、「新規」をクリックします。
「範囲」画面では、「現在の組織仮想データセンター」を選択して「次へ」をクリックします。
「ネットワーク タイプ」を選択して、「次へ」をクリックします。
- ネットワーク タイプ: 直接
「全般」画面で、作成するネットワークの名前を入力して「次へ」をクリックします。
- 名前: orgvdc-ext-nw-vlan-31
「外部ネットワーク接続」を選択して「次へ」をクリックします。
- 外部ネットワーク: ext-nw-vlan-31
「設定内容の確認」画面で「完了」をクリックします。
これで、外部ネットワークが作成されました。
つづく。