vCenter Server Appliance(VCSA)を、vcsa-deploy.exe で CLI デプロイしてみます。今回は、2台の VCSA を拡張リンク モード構成でデプロイしてみます。
前回はこちら。
今回の内容です。
1. JSON ファイルの用意(拡張リンク モード)
1台目の VCSA は、前回デプロイした VCSA と同様の設定でデプロイします。
lab-vc-13.json
- L37: 今回の VCSA の FQDN は、lab-vc-13.go-lab.jp です。
2台目の VCSA は、1台目の VCSA のレプリケーション パートナーとしてデプロイします。
lab-vc-14_elm.json
- L57: 最初の vCenter Server インスタンスではないことを明示
- L58: vCenter Single Sign-On ドメインのレプリケーション パートナーとして、1台目の VCSA の FQDN を指定する。
- L59: vCenter Single Sign-On のポート番号。デフォルトも 443。
2. VCSA のデプロイ
ここからは、PowerShell を起動してコマンドを実行します。VCSA の ISO イメージ ファイルを D: ドライブにマウントしてあり、lab-vc-13.json と lab-vc-14_elm.json をカレント ディレクトリに配置してあります。
まず、1台目の VCSA の JSON ファイルで事前チェックを実行します。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification --precheck-only ./lab-vc-13.json
1台目の VCSA をデプロイします。この処理は、30 ~ 40分程度かかります。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification ./lab-vc-13.json
つぎに、2台目の JSON ファイルで事前チェックを実行します。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification --precheck-only ./lab-vc-14_elm.json
2台目の VCSA をデプロイします。この処理も、30 ~ 40分程度かかります。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification ./lab-vc-14_elm.json
これで、拡張リンク モードの VCSA がデプロイされました。
1台目の vCenter(lab-vc-13.go-lab.jp)にログインすると・・・
2台の vCenter がインベントリに表示されます。
2台目の vCenter(lab-vc-14.go-lab.jp)にログインしても・・・
同様に、2台の vCenter がインベントリ表示されています。
「リンクされた vCenter Server システム」タブには、相互にもう片方の vCenter Server が表示されています。
おまけ: バッチ モードでの VCSA デプロイ
複数の VCSA をデプロイする場合には、vcsa-deploy を バッチ実行できます。複数の JSON ファイルを配置してあるディレクトリを指定して vcsa-deploy を実行すると、vCenter の拡張リンク モードのトポロジを認識して順番にデプロイします。
ドキュメントでは、下記のあたりが参考になります。
- CLI を使用した複数の vCenter Server アプライアンスのデプロイ
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/8.0/vsphere-vcenter-installation/GUID-D8367595-E0B9-4478-891E-8C8DE87D7757.html
今回は、2台分の VCSA デプロイ用 JSON ファイルを「elm」フォルダにまとめて配置しておきます。
PS> ls ./elm/ | select Name Name ---- lab-vc-13.json lab-vc-14_elm.json
vcsa-deploy.exe は、JSON ファイルのかわりにフォルダ(./elm/)を指定して実行します。
事前チェックを実行します。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification --precheck-only ./elm/
そして VCSA のデプロイも、フォルダを指定して実行します。
PS> D:/vcsa-cli-installer/win32/vcsa-deploy.exe install --accept-eula --no-ssl-certificate-verification ./elm/
これで、複数の VCSA が順にデプロイされます。そして今回のように拡張リンク モードの設定が含まれている場合は、1台目の VCSA を認識して最初にデプロイされます。
以上、VCSA を CLI でデプロイしてみる話でした。