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VCF 5.2 で Avi Load Balancer を動作確認してみる。Part-04: NSX オーバーレイ - Avi Controller 設定

VMware Cloud Foundation(VCF)5.2.1 の SDDC Manager からデプロイした Avi Load Balancer で、NSX オーバーレイ セグメントを利用してみます。

以前に投稿した NSX VLAN セグメントの構成の代わりに、オーバーレイ セグメントを利用します。

 

今回の内容です。

 

今回の環境

VCF の Management Workload Domain に、NSX Edge Cluster と Avi Load Balancer を展開してあります。

 

NSX

Avi Load Balancer をオーバーレイ セグメントにで利用する場合は、Tier-1 ゲートウェイが必須になるため、NSX Edge Cluster(BGP あり)を展開してあります。今回は VCF 外部のルーターから NSX Tier-0 ゲートウェイへのルーティングで BGP を利用していますが、これはスタティック ルートでも代替できるはずです。

 

NSX では、Edge Cluster の追加により、Tier-0 ゲートウェイが作成されています。

 

Tier-1 ゲートウェイも作成され、Tier-0 ゲートウェイに接続されています。Avi Load Balancer のセットアップでは、数か所でこの Tier-1 ゲートウェイを指定することになります。

  • Tier-1 ゲートウェイ:vcf-m01-t1

 

Management Workload Domain デプロイ時に作成されたオーバーレイ トランスポート ゾーンを確認しておきます。

  • オーバーレイ トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-overlay01

 

Avi Load Balancer

下記の手順で、SDDC Manager から Avi Load Balancer を展開してあります。

 

ネットワーク構成イメージ

Avi Load Balancer(の Service Engine)で利用するネットワークは、今回利用するバージョンであれば、オーバーレイ / VLAN どちらの NSX セグメントも利用できます。

この環境では、下記の構成にしています。

  • Avi 管理ネットワーク:VLAN
    →以前に作成した VLAN セグメント(seg-vlan-70)を利用
  • Avi データ ネットワーク(VIP を配置):オーバーレイ

 

ちなみに、Avi の管理ネットワークでも NSX オーバーレイ セグメントを利用する場合は、下記のような構成になります。

 

1. vSphere / NSX の準備

VLAN NSX セグメントのみを利用する場合と同様に、NSX Manager で VLAN セグメントを作成して、vSphere Client でコンテンツ ライブラリを作成しておきます。

 

さらに、NSX のオーバーレイ セグメントを作成しておきます。

NSX Manager で、「ネットワーク」タブ →「接続」→「セグメント」を開き、「セグメントの追加」をクリックします。

セグメントの情報を入力して、「保存」をクリックします。

  • 名前:seg-overlay-avi-data
  • 接続されたゲートウェイ:vcf-m01-t1 | Tier-1
  • トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-overlay01
  • サブネット:10.0.11.1/24

 

「構成を続行しますか?」は、「いいえ」で閉じます。

 

同様に、プール  メンバーのサーバーを接続するオーバーレイ セグメントも作成しておきます。

  • 名前:seg-overlay-01
  • 接続されたゲートウェイ:vcf-m01-t1 | Tier-1
  • トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-overlay01
  • サブネット:10.0.1.1/24

 

2. Avi Controller での設定

ここからは、Avi Load Balancer の Web UI で設定します。

 

2-1. ユーザー認証情報の作成(NSX admin)

SDDC Manager からデプロイした Avi Controller には、デフォルトで「svc-vcf-m01-avi-vcf-m01-nsx」ユーザーの認証情報が登録されています。しかしこのユーザーは権限が不足しているため、admin ユーザーの認証情報を登録しておきます。

 

Avi Load Balancer の UI で、「管理」タブ →「ユーザー認証情報」→「ユーザー認証情報」を開き、「作成」をクリックします。

 

NSX の admin ユーザーの認証情報を入力して、「SAVE」をクリックします。

  • 名前:vcf-m01-nsx_admin
  • 認証情報のタイプ:NSX-T
  • ユーザー名:admin
  • パスワード:admin ユーザーのパスワード

 

これで、認証情報が登録されました。

 

2-2. NSX Cloud の作成(NSX-T Cloud Connector)

Avi Load Balancer と NSX & vCenter を連携させるための「クラウド」の設定で、NSX-T Cloud Connector を利用します。「インフラストラクチャ」タブ →「クラウド」を開き、「作成」→「NSX-T Cloud」をクリックします。

 

「新しいクラウド」画面が開くので、パラメータを入力します。

  • 名前:VCF-NSX-Cloud
  • タイプ:NSX-T Cloud
  • オブジェクト名のプリフィックス:vcfavi

「NSX-T」→「認証情報」にある、「認証情報の変更」をクリックします。

 

NSX の認証情報を入力して、「接続」をクリックします。

  • NSX-T Manager のアドレス:vcf-m01-nsx.c.go-lab.jp
  • NSX-T Manager の認証情報:vcf-m01-nsx_admin

 

「新しいクラウド」画面に戻るので、使用するネットワークを選択してます。

  • 管理ネットワーク
    • トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-vlan01 (VLAN)
    • VLAN セグメント:seg-vlan-70

データ ネットワークでは、トランスポート ゾーンを選択してから「追加」をクリックし、セグメントを選択します。論理ルーターで選択できるのは、Tier-1 ゲートウェイのみです。

  • データ ネットワーク
    • トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-overlay01 (Overlay)
    • データ ネットワーク セグメント
      • 論理ルーター:vcf-m01-t1
      • オーバーレイ セグメント:seg-overlay-avi-data

 

vCenter Server の「追加」をクリックします。

 

「新しい VCENTER SERVER」画面が開くので、名前(アドレス)を入力して、「認証情報の変更」をクリックします。

  • 名前:vcf-m01-vc-01.c.go-lab.jp

 

vCenter Server の認証情報を入力して、「接続」をクリックします。vCenter の認証情報は、ひとまず SDDC Manager からのデプロイ時に自動作成されたものを使用しています。

  • vCenter Server のアドレス:192.168.70.11
  • vCenter Server の認証情報:svc-vcf-m01-avi-vcf-m01-vc-01@vsphere.local

 

「新しい VCENTER SERVER」画面に戻るので、コンテンツ ライブラリを選択して「DONE」をクリックします。

  • コンテンツ ライブラリ:Avi-Library-01

 

「新しいクラウド」画面に戻るので、vCenter が選択されたことを確認して「保存」をクリックします。

 

これで「NSX-T」タイプのクラウドが作成されるので、少し待ってから画面を更新して、状態が緑色になったことを確認します。

 

2-3. ネットワーク プロファイルの設定

NSX セグメントを Avi Load Balancer で利用するために、ネットワーク プロファイルを設定します。

 

2-3-1. ネットワーク プロファイル:管理ネットワーク(seg-vlan-70)

Avi の Web UI で、「インフラストラクチャ」タブ →「クラウド リソース」→「ネットワーク」を開き、クラウドを選択します。

  • クラウドの選択:VCF-NSX-Cloud

クラウド作成時に選択した NSX セグメントが表示されるので、VLAN セグメントを選択して、編集ボタンをクリックします。

  • NSX セグメント:seg-vlan-70

 

seg-vlan-70 のパラメータを入力します。

  • DHCP の有効化:OFF ※デフォルトのまま
  • IPv6 自動構成の有効化:OFF

サブネットの「追加」をクリックします。

 

サブネットの情報を入力します。

  • サブネット プレフィックス:192.168.70.0/24

「静的 IP アドレス範囲」のすぐ下にある「追加」をクリックして、IP アドレスの範囲を入力して、「保存」をクリックします。

  • IP アドレス範囲:192.168.70.34-192.168.70.39

 

サブネットが追加されたことを確認して、「保存」をクリックします。

 

2-3-2. ネットワーク プロファイル:VIP ネットワーク(seg-overlay-avi-data)

Avi Load Balancer による VIP アドレスを払い出すネットワークの NSX オーバーレイ セグメントで、編集ボタンをクリックします。

  • クラウドの選択:VCF-NSX-Cloud
  • NSX セグメント:seg-overlay-avi-data

 

パラメータを入力して、サブネットの「追加」をクリックします。

  • DHCP の有効化:OFF ※デフォルトのまま
  • IPv6 自動構成の有効化:OFF

 

サービス エンジン仮想マシンの IP アドレスの範囲を入力して「保存」をクリックします。

  • サブネット プレフィックス:10.0.11.0/24
  • VIP および SE に静的 IPアドレスを使用:チェック OFF
  • 静的 IP アドレス範囲 ※「追加」をクリックして入力
    • 1行目
      • IP アドレス範囲:10.0.11.2-10.0.11.9
      • 使用対象:SE vNIC
    • 2行目
      • IP アドレス範囲:10.0.11.200-10.0.11.209
      • 使用対象:VIP

 

サブネットが追加されたことを確認して、「保存」をクリックします。

 

画面を更新し、それぞれのネットワークに「構成されたサブネット」が表示されたことを確認します。

 

2-4. IP アドレス管理プロファイルの用意

ネットワークで指定した IP アドレス範囲を利用するために、IP アドレス管理プロファイルを作成して、クラウドに割り当てます。

 

2-4-1. IP アドレス管理プロファイルの作成

「テンプレート」タブ →「プロファイル」→「IP アドレス管理/DNS プロファイル」を開き、「作成」→「IP アドレス管理プロファイル」をクリックします。

 

IP アドレス管理プロファイルのパラメータを入力して、「保存」をクリックします。

  • 名前:IPAM-Profile-01
  • タイプ:Avi Vantage IP アドレス管理
  • クラウド:VCF-NSX-Cloud
  • ネットワーク ※「追加」をクリックして入力
    • seg-vlan-70 - 192.168.70.0/24
    • seg-overlay-avi-data - 10.0.11.0/24

 

これで、IP アドレス管理プロファイルが作成されました。

 

2-4-2. IP アドレス管理プロファイルの割り当て

「インフラストラクチャ」タブ →「クラウド」を開き、対象クラウドの編集ボタンをクリックします。

  • クラウド:VCF-NSX-Cloud

 

IP アドレス管理プロファイルを選択して、「保存」をクリックします。

  • IP アドレス管理プロファイル:IPAM-Profile-01

 

少し待ってから画面を更新して、クラウドの状態が緑色になったことを確認します。

 

2-5. サービス エンジン グループの作成

「インフラストラクチャ」タブ →「クラウド リソース」→「サービス エンジン グループ」を開きます。

「クラウドの選択」で「VCF-NSX-Cloud」を選択して、「作成」をクリックします。

 

「新しいサービス エンジン グループ」画面が開くので、パラメータを入力して下にスクロールします。

  • 名前: VCF-Avi-SE-Group
  • リアルタイム メトリクスの有効化:ON
    • 間隔:0 秒

 

「配置」のパラメータを入力して、さらに下にスクロールします。

  • 高可用性モード:アクティブ/アクティブ
  • サービス エンジンの数:10 ※デフォルト値
    ラボでは、「2」に変更しておくと2つめ以降の仮想サービス作成で Service Engine が追加展開されずサービス起動が早くなる。

 

「リソース」のパラメータを入力して、さらに下にスクロールします。

  • メモリ予約の有効化:OFF ※物理リソースの少ないラボむけの設定

 

「スコープ」で、vCenter Server の下にある「追加」をクリックします。

 

vCenter Server での、サービス エンジン(SE)仮想マシンの展開先を指定して、「保存」をクリックします。

  • vCenter Server:vcf-m01-vc-01.c.go-lab.jp
  • サービス エンジン フォルダ:vcf-m01-fd-avi-se
    ※このフォルダは、SE 仮想マシンがデプロイされる際に自動作成されます。

 

「新しいサービス エンジン グループ」画面に戻るので、vCenter Server の情報が入力されたことを確認して「保存」をクリックします。

 

これで、サービス エンジン グループが作成されました。

 

2-6. VIP(データ)ネットワークの ゲートウェイ設定

今回の構成では、Service Engine 仮想マシンがメンバー サーバーのネットワークに直接接続しません。そこで、Service Engine からメンバー サーバーに L3 経由でアクセスするため、データ ネットワークのデフォルト ルートを設定しておきます。

「インフラストラクチャ」タブ →「クラウド リソース」→「VRF コンテキスト」を開き、「クラウドの選択」で「VCF-NSX-Cloud」を選択します。

Tier-1 ゲートウェイと同名の「vcf-m01-t1」が作成されているので、編集ボタンをクリックします。

 

「スタティック ルート」→「サブネット」の下にある「追加」をクリックして、ルート情報を入力して「保存」をクリックします。

  • ゲートウェイ サブネット:0.0.0.0/0
  • ネクスト ホップ:10.0.11.1

 

VRF コンテキストのスタティック ルートに「1」と表示されました。

 

つづく。