個人的な vSAN Advent Calendar 4日目です。
自宅ラボの vSAN 7.0 U 1 Advent Calendar 2020 - Adventar
vSAN 7.0 U1 の新機能として、vSAN Direct Configuration(Direct Connect ではなく)があり、下記のブログなどで紹介されています。また、ドキュメントなどでは「vSAN Direct」と表現されているように見えます。
What’s New in vSAN 7 Update 1 - Virtual Blocks
今回はこの vSAN Direct Configuration( 以降は省略して vSAN Direct)の雰囲気を見てみます。
はじめに
まず、vSAN Direct は、普通の VM を配置することを目的としていないようです。vSAN のドキュメントなどにも現状はあまり記載がありません。そして下記のような注があったりします。
注: vSAN Direct ストレージを使用できるのは、vSAN Data Persistence プラットフォームのみです。vSAN Data Persistence プラットフォームは、ソフトウェア テクノロジー パートナーが VMware インフラストラクチャと統合するためのフレームワークを提供します。VMware のユーザーが vSAN Data Persistence プラットフォームのメリットを利用できるように、各パートナーが独自のプラグインを開発する必要があります。プラットフォーム上で実行されるパートナー ソリューションが稼動するまで、このプラットフォームは機能しません。詳細については、『vSphere with Tanzu の構成と管理』を参照してください。
ということで、vSAN Direct は一般的な VM を配置するのではなく、vSphere with Tanzu のスーパーバイザー クラスタ(で稼働するとみられる vSAN Data Persistence プラットフォーム)などが利用する想定のもののようです。
vSAN Direct のデータストア作成
vCenter 7.0 U1a + ESXi 7.0 U1 のクラスタで vSAN を有効化する際に、vSAN Direct を選択してみます。
vSAN の「サービス」→「構成」を開きます。
「単一のサイト クラスタ」を選択します。
「サービス」は、デフォルトのままです。
「ディスクの要求」にて、キャッシュでもキャパシティでもなく「vSAN Direct」を選択します。このあと確認画面にて「終了」をクリックすると、vSAN Direct データストアが作成されます。
各ホストのディスクは「vSAN Direct ディスク」になりました。
従来のディスク グループ単位ではなく、ディスクごとにデータストアが作成されています。そして各 vSAN Direct データストアには、「vSANDirectStorage」カテゴリの「vSANDirect」タグが割り当てられています。
vSAN Direct データストアの選択方法
データ配置の際に vSAN Direct データストアを選択するには、仮想マシン ストレージ ポリシーの「タグ ベースの配置ルール」が利用されます。
今回は、ポリシーの雰囲気も見ておこうと思います。「ポリシーおよびプロファイル」メニューを開きます。
そして、仮想マシン ストレージ ポリシーを作成します。
ポリシーの名前を入力します。
「データストア固有のルール」で、「タグ ベースの配置ルールを有効化」にチェックを入れておきます。
そしてルールでは、次のように vSAN Direct データストアに割り当てられていたタグを指定します。
- タグ カテゴリ: vSANDirectStorage
- 使用量オプション: 「以下のタグ付けをされたストレージを使用:」
- タグ: vSANDirect
このあとの互換性の確認では、期待どおり「互換性あり」に vSAN Direct データストアが表示されます。
しかし、このポリシーを普通の VM 作成時に指定しても、なぜか vSAN Direct データストアは選択できませんでした。やはり「vSAN Data Persistence プラットフォーム」でないと利用できないのかもしれません。
vSAN Direct に VM が配置された様子(vCLS)
ちなみに、今回は意図的に「共有データストアが vSAN Direct のみ」の構成としたところ、自動展開される vCLS の仮想アプライアンスは、vSAN Direct データストアに配置されました。(ただし仮想マシン ストレージ ポリシーはなく・・・)
ということで、はからずも VM が配置される様子が見られました。データストアの中には、仮想マシンの構成ファイルが配置されています。
ということで、あとは vSAN Data Persistence プラットフォームを利用するソリューションを待とうと思います。
以上、vSAN Direct の様子でした。