VMware Tanzu Kubernetes Grid(TKG)で、vSphere 環境に Kubernetes クラスタを作成してみます。今回は、Kubernetes クラスタのデプロイ先にする vSphere 環境の準備をします。
前回はこちら。
ドキュメントでは下記のあたりです。
今回の内容です。
2. vSphere 環境の準備
今回は vSphere 7.0 U3(vCenter Server 7.0 U3 / ESXi 7.0 U3)を利用して、下記のような準備をしておきます。
2-1. vSphere クラスタ
vSphere HA / DRS は必須ではありませんが、このラボではどちらも有効にしています。ESXi は複数台用意してありますが、十分な CPU / メモリ / ストレージ リソースがあれば 1 ホストでも環境構築は可能です。
2-2. 仮想マシン フォルダ
TKG が Kubernetes ノードの仮想マシンを作成する、仮想マシン フォルダを作成しておきます。今回はわかりやすく Management Cluster と Workload Cluster とでフォルダを分けます。
2-3. リソース プール
vSphere クラスタで DRS を有効化してあるので、TKG が Kubernetes ノードの仮想マシンを作成するリソースプールを作成しておきます。
ただし、このラボでは検証用 仮想マシンはまとめて 1つのリソース プールで管理しているため、1つのリソース プールに Management Cluster と Workload Cluster の両方を配置します。
2-4. データストア
このラボでは、vSAN データストアを利用しています。ちなみに TKG では、VMFS や NFS データストアも利用できます。
2-5. ネットワーク / ポートグループ
このラボの TKG では 2つネットワークを利用します。
- 管理ネットワーク(192.168.10.0/24)
- ポートグループ: dvpg-0010-mgmt
- VLAN ID: 10
- IP アドレスの設定は静的
- vCenter や TKG の Bootstrap マシンを配置
- Kubernetes ノード ネットワーク(192.168.11.0/24)
- ポートグループ: dvpg-0011-dhcp
- VLAN ID: 11
- IP アドレスの設定は DHCP
- TKG による Kubernetes ノードの仮想マシンと、kube-vip の VIP を配置
どちらのネットワークも、ソフトウェアやコンテナのダウンロードのため、インターネットにアクセス可能にしてあります。
TKG で作成される Kubernetes ノードでは、DHCP が必要です。イメージ図では表現してありませんでしたが、ラボには DHCP サーバも用意してあります。
ポートグループでは、特別なセキュリティ ポリシー設定(無差別モードなど)は不要です。この環境では vDS を利用していますが、TKG は vSS も利用できます。
2-6. OVA ファイルのデプロイとテンプレートへの変換
TKG で使用する Kubernetes ノードの OVA ファイルは、デプロイして、仮想マシン テンプレートに変換しておきます。
OVA ファイルは Customer Connect(下記)からダウンロードしておいたものを利用します。
- https://customerconnect.vmware.com/en/downloads/details?downloadGroup=TKG-161&productId=988&rPId=99512
- OVA ファイルは、photon-3-kube-v1.23.10+vmware.1-tkg.1-efe12079f22627aa1246398eba077476.ova を利用します。
TKG では仮想マシン テンプレートの名前が意味を持つため、デプロイする仮想マシンの名前は、デフォルトのままにしておきます。
- 仮想マシン名: photon-3-kube-v1.23.10+vmware.1
デプロイした仮想マシンを右クリックして、「テンプレート」→「テンプレートに変換」を実行しておきます。
つづく。