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自宅ラボ NSX 4.1 の構築。Step-05: ESXi への NSX インストール

ネステッド ESXi 環境を利用した NSX ラボを構築します。今回は、ESXi に NSX をインストールして、トランスポート ノードとしての準備をします。

 

今回の内容です。手順は NSX Manager から実施します。

 

1. トランスポート ノードとは

トランスポート ノードとは、NSX のオーバーレイ、または VLAN ネットワークに参加するノードで、次の2種類が存在します。

  1. ホスト トランスポート ノード
    → NSX のモジュールをインストールした ESXi ホストのこと。
  2. Edge トランスポート ノード
    → NSX Edge のこと。

 

トランスポート ノードのセットアップでは、ノード(ESXi / NSX Edge)に「トランスポート ゾーン」を割り当て、NSX が利用できるように仮想スイッチを構成します。

トランスポート ゾーンには、オーバーレイ / VLAN の 2種類があり、ノードには、どちらかまたは両方を割り当てることができます。オーバーレイ トランスポート ゾーンを割り当てたノードでは、GENEVE によるオーバーレイ ネットワークが利用できるようになります。VLAN トランスポート ゾーンを割り当てたノードでは、NSX の VLAN ネットワークが利用できるようになります。

 

ここでセットアップするのは、ESXi の「ホスト トランスポート ノード」です。

 

2. IP アドレス プールの作成

ホスト トランスポート ノード(ESXi)では、オーバーレイ ネットワークのトンネル エンドポイント(TEP)が構成されます。ESXi の TEP に割り当てる IP アドレスを指定するため、IP アドレス プールを作成しておきます。

 

「ネットワーク」→「管理」→「IP アドレス プール」→「IP アドレス プール」タブで、「IP アドレス プールの追加」をクリックします。

「名前」に IP アドレス プールの名前を入力して、サブネットの「設定」リンクをクリックします。

  • 名前: ip-pool-esxi-tep

 

「サブネットの追加」→「IP 範囲」をクリックします。

 

パラメータを入力します。今回は次のようにしています。

  • IP 範囲 / ブロック: 192.168.121.123-192.168.121.125 ※ESXi 2台分。
  • CIDR: 192.168.121.0/24
  • ゲートウェイ IP: 192.168.121.1

 

入力したら、「追加」→「適用」を順にクリックして、この画面を閉じます。

 

サブネットに「1」と表示されるようになります。「保存」をクリックします。

 

IP アドレス プールが追加されました。状態が「成功」になっていない場合は、右端にある更新マークをクリックします。

 

3. トランスポート ゾーンの確認

ホスト トランスポート ノード(ESXi)には、オーバーレイ ネットワークを利用するために、トラフィック タイプが「オーバーレイ」のトランスポート ゾーンを割り当てます。

 

今回は、デフォルトで作成されるトランスポートゾーンをそのまま利用します。

  • nsx-overlay-transportzone: オーバーレイ トランスポート ゾーン
  • nsx-vlan-transportzone: VLAN トランスポート ゾーン

 

4. アップリンク プロファイルの作成

ホスト トランスポート ノード(ESXi)のアップリンク設定をするため、アップリンク プロファイルを作成しておきます。プロファイルでは、パラメータを設定できます。

  • 物理 NIC のチーミング ポリシー
  • TEP のトランスポート VLAN ID 

 

MTU の設定は、デフォルトで 1700 になるため今回は空欄にしておきます。アップリンク プロファイルには、デフォルト作成されたものがありますが、今回はトランスポート VLAN ID を変更したものを新規作成します。

 

「システム」→「設定」→「ファブリック」→「プロファイル」→「アップリンク プロファイル」タブを開いて、「プロファイルの追加」をクリックします。

 

アップリンク プロファイルの名前を入力して、下にスクロールします。

 

チーミングの設定を入力します。

「デフォルトのチーミング」にて、次のように入力します。ここでの「アップリンクの名前」は後続の手順でアップリンクと物理 NIC を紐づけるための名前です。

  • チーミング ポリシー: フェイルオーバーの順序 ※デフォルトのまま
  • アクティブ アップリンク: uplink-1
  • スタンバイ アップリンク: uplink-2

 

トランスポート VLAN と MTU を入力します。

  • トランスポート VLAN: 121 ※ESXi の TEP に設定する VLAN ID
  • MTU: 空欄のまま。※デフォルトで 1700 になる

 

パラメータを入力したら、「追加」をクリックして画面を閉じます。

 

アップリンク プロファイルが作成されました。

 

5. トランスポート ノード プロファイルの作成

ホスト トランスポート ノード(ESXi)を設定するため、トランスポート ノード プロファイルを作成します。このプロファイルには、ここまでの手順で作成した IP アドレス プールとアップリンク プロファイルも指定します。

 

 「システム」→「設定」→「ファブリック」→「プロファイル」→「トランスポート ノード プロファイル」タブを開いて、「トランス ポート ノード プロファイルの追加」をクリックします。

 

作成するプロファイルの名前を入力してから、ノード プロファイルの「設定」をクリックします。

  • 名前:tnp-esxi-01

 

「ホスト スイッチの作成」画面で、次のようにパラメータを入力します。

  • 名前
    • vCenter Server を選択: lab-vc-02
    • VDS の選択: lab-vds-21
  • トランスポート ゾーン: nsx-overlay-transportzone 
    • ここでは、オーバーレイ トランスポート ゾーンを選択。
  • アップリンク プロファイル: uplink-profile-esxi-01
  • IPv4 の割り当て: IP プールを使用
  • IP アドレス プール: ip-pool-esxi-tep
  • uplink-1 → VDS アップリンク: 「アップリンク 1」を選択。
  • uplink-2 → VDS アップリンク: 「アップリンク 2」を選択。

 

ちなみに「トランスポート ゾーン」には、VLAN トランスポート ゾーンを同時に割り当てることもできます。その場合は、NSX による VLAN セグメントを、ESXi 上にある仮想マシンの vNIC に割り当てられるようになります。

 

パラメータを入力したら、「追加」→「適用」をクリックして閉じます。

 

ちなみに、uplink-1 / uplink-2 の VDS アップリンクとして選択した「アップリンク 1」「アップリンク 2」というのは、vSphere 側で設定されている vDS アップリンクの名前です。

vDS アップリンクの名前は、vSphere Client から確認できます。

 

VDS アップリンクの名前を変更したい場合は、あらかじめ vSphere Client で変更しておきます。

vDS の「構成」→「プロパティ」画面にある、「編集」→「アップリンク」タブにて、名前を変更できます。

 

NSX Mangaer の画面に戻ります。

作成中のトランスポート ノード プロファイルで、「保存」をクリックします。

 

これで、トランスポート ノード プロファイルが作成されました。

 

6. ESXi への NSX インストール

ESXi に NSX の設定をして、ホスト トランスポート ノードにします。

NSX Manager の「システム」→「設定」→「ファブリック」→「ノード」→「トランスポート ノード」タブを開き、「管理元」で vCenter の名前(lab-vc-02)を選択すると、vSpehere Client と同様に、クラスタと ESXi ホストが表示されます。

クラスタ「nsx-cluster-02」を選択して、「NSX の設定」をクリックします。

 

さきほど作成したトランスポート ノード プロファイル(tnprofile-host)を選択して、「適用」をクリックします。

 

ESXi に NSX のコンポーネントがインストールされるので、しばらく待ちます・・・

 

NSX 構成が「成功」になるまで待ちます。これで、lab-cluster-22 クラスタ配下の ESXi ホストが、NSX-T のトランスポート ノードとして利用可能になりました。


vSphere Client でも、VDS が「NSX スイッチ」になったことが確認できます。

 

つづく。