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vSphere with Tanzu 8.0 U2 ラボ環境構築。Part-07: ESXi への NSX インストール

vSphere 8.0 U2 で、vSphere with Tanzu の自宅ラボ環境を構築していきます。今回は、ESXi に NSX をインストールして「ホスト トランスポート ノード」にします。

 

今回の内容です。

 

ドキュメントでは、下記のあたりが参考になります。

 

ラボ構成のイメージ

今回は、ESXi ホストに NSX をインストールして、ホスト トランスポート ノードとして構成します。

 

1. トランスポート ゾーンの用意

NSX によるネットワークの利用できる範囲は「トランスポート ゾーン」で管理されます。これは、ESXi や NSX Edge を「トランスポート ノード」として設定する際に指定することになります。

トランスポート ゾーンには、「オーバーレイ」と「VLAN」の 2種類が存在し、スーパーバイザーの環境構築では両方を使用します。それぞれ任意の名前で追加作成することも可能ですが、このラボでは、デフォルトで作成されているものをそのまま利用します。

 

「システム」タブ →「構成」→「ファブリック」→「トランスポート ゾーン」を開くと、「トランスポート ゾーン」タブで、下記のデフォルト トランスポート ゾーンが作成されていることが確認できます。

  • オーバーレイ: nsx-overlay-transportzone
  • VLAN: nsx-vlan-transportzone

 

2. IP アドレス プールの作成

NSX のオーバーレイ ネットワークでは、ESXi と NSX Edge に、Geneve プロトコルのトンネル エンドポイント(両端)になる、TEP(Tunnel End Point)というポートが構成されます。そして TEP のアドレス設定には、NSX の「IP アドレス プール」が使用できます。

 

このあとの ESXi の設定に備えて、ここで IP アドレス プールを作成しておきます。このラボでは NSX Edge TEP のアドレスは IP アドレス リストで直接指定するため、ESXi TEP 用の IP アドレス プールのみ作成します。

 

「システム」タブ →「IP 管理」→「IP アドレス プール」を開き、「IP アドレス プール」タブで「IP アドレス プールの追加」をクリックします。

 

IP アドレス プールの名前を入力して、サブネットの「設定」をクリックします。

  • 名前: esxi-tep-ip-pool

 

「サブネットの追加」→「IP 範囲」をクリックします。

 

サブネットの情報を入力して、「追加」をクリックします。

  • IP 範囲: 192.168.133.130-192.168.133.139
  • CIDR: 192.168.133.0/24
  • ゲートウェイ IP: 192.168.133.1

ちなみに、ESXi TEP と NSX Edge TEP は、TEP でのカプセル化の仕様都合で別セグメントにして外部ルータ(Ext GW)を経由させるため、IP プールでゲートウェイ IP アドレスを設定しています。

 

「適用」をクリックして、画面を閉じます。

 

「保存」をクリックします。

 

これで IP アドレス プールが作成されました。

 

3. アップリンク プロファイルの作成

ESXi ホストと NSX Edge ノード 仮想マシンのアップリンク プロファイルを用意しておきます。

 

3-1. ESXi 用のアップリンク プロファイル

「システム」タブ →「構成」→「ファブリック」→「プロファイル」を開き、「アップリンク プロファイル」タブで「プロファイルの追加」をクリックします。

 

アップリンク プロファイルの名前を入力して、画面をスクロールします。

  • 名前: esxi-uplink-profile

 

アップリンクの名前と、トランスポート VLAN ID を入力して、「追加」をクリックします。ESXi の VMkernel アダプタの TEP では、分散ポートグループを割り当てずに VLAN ID を設定するので、このプロファイルで トランスポート VLAN ID を指定しています。

  • アクティブ アップリンク: uplink-1
  • スタンバイ アップリンク: uplink-2
  • トランスポート VLAN: 133

 

これで、アップリンク プロファイルが作成されました。

 

3-2. NSX Edge 用のアップリンク プロファイル

このラボでは、NSX Edge のアップリンクと TEP の NSX Edge スイッチを分けて作成します。そして、 TEP のトラフィックが通過する vNIC に割り当てる分散ポート グループで VLAN を終端します。

そのため、NSX にデフォルトで用意されている、トランスポート VLAN ID の指定がないアップリンク プロファイル(下記)を、そのまま利用します。

  • アップリンク プロファイル: nsx-edge-single-nic-uplink-profile

 

4. トランスポート ノード プロファイルの作成

「システム」タブ →「構成」→「ファブリック」→「ホスト」を開き、「トランスポート ノード プロファイル」タブにある「トランスポート ノード プロファイルの追加」をクリックします。

 

プロファイルの名前を入力して、ホスト スイッチの「設定」をクリックします。

  • 名前: esxi-transport-node-profile

 

「ホスト スイッチの追加」をクリックします。

 

ホスト スイッチのパラメータを入力して、「追加」をクリックします。

  • vCenter Server を選択: lab-vc-31
  • VDS の選択:: DSwitch-31
  • トランスポート ゾーン: nsx-overlay-transportzone
  • アップリンク プロファイル: esxi-uplink-profile
  • IP アドレス タイプ (TEP): IPv4
  • IPv4 の割り当て: IP プールを使用
  • IPv4 プール: esxi-tep-ip-pool
  • uplink-1: アップリンク 1
  • uplink-2: アップリンク 2

なお、ここで VLAN トランスポート ゾーン(nsx-vlan-transportzone)も選択しておくと、ESXi で、NSX の VLAN セグメントも利用可能になります。スーパーバイザーの ESXi としては VLAN セグメントが必須ではないので、ここではオーバーレイ トランスポート ゾーンのみ選択しています。

 

「適用」をクリックして、画面を閉じます。

 

「保存」をクリックします。

 

これで、トランスポート ノード プロファイルが作成されました。

 

5. ESXi への NSX のインストール

「システム」タブ →「構成」→「ファブリック」→「ホスト」を開き、「クラスタ」タブを開きます。NSX インストール対象のクラスタ(lab-cluster-31)を選択して、「NSX の構成」をクリックします。

 

「NSX のインストール」画面が開くので、トランスポート ノード プロファイルを選択して「保存」をクリックします。

  • トランスポート ノード プロファイル: esxi-transport-node-profile

 

クラスタ配下の ESXi ホストで、インストール処理が開始します。

 

しばらく待つと、クラスタが「準備済み」になり、配下の ESXi ホストの NSX 構成が「成功」になります。

 

vSphere Client で vDS を見ると、「NSX スイッチ」と表示されるようになります。

 

つづく。