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極小 VCF 5.1 ラボ構築の工夫の紹介。

VMware Cloud Foundation(VCF)が最近話題ですが、展開するにはそこそこのスペックのマシンが必要になります。最近、リソース割り当てを抑えたネステッド VCF 展開を試みたので、VI Domain デプロイまでのリソースやりくりの工夫を 4コマ程度で紹介しておきます。

ただし、残念ながらいまのところ自宅ラボには VCF 5.1 を展開できる物理マシンがないので構成イメージ図のみです。また、Holodeck ではなく VCF 構築の体験自体を目的として、手作業で VI Domain のデプロイまで進める想定です。

Holodeck については、こちらのブログが参考になります。

blogs.vmware.com

 

1. 事前準備

VCF を展開する準備として、ESXi ホストを用意しておきます。下記が最小台数、ほぼ最小スペックです。

  •  Management Domain 用 ESXi
    • 台数: 4台
    • CPU: 12 CPU コア
    • メモリ: 96GB
    • ストレージ: SSD x1、SDD or HDD x1
      ※たとえば、SSD 400GB + SDD 500 GB など
  • Workload(VI)Domain 用 ESXi: 3台
    • 台数: 3台
    • CPU: 8 CPU コア
    • メモリ: 80GB
    • ストレージ: SSD x1、SDD or HDD x1

DNS サーバや NTP サーバも用意しておく必要があります。

また、ネステッド環境だと OVA / OVF の展開や、仮想マシンのクローンに時間がかかりがちです。できることなら、CPU / メモリを充分に搭載した1台のマシンを用意して、ESXi 仮想マシン(vSAN Disk にする VMDK を持つ)はローカル SSD などに配置できると理想的です。

 

2. Cloud Builder をデプロイ

VCF の環境を展開する Cloud Builder 仮想アプライアンスを展開します。

Cloud Builder は、VCF を展開するラボ環境の外側にデプロイできるので、リソース割り当てはあまり気にしなくてよいかなと思います。ただし、vCenter / ESXi / NSX のバイナリを(ISO ファイルと OVA ファイル)を内蔵しているので、30GB ほどの容量があります。

 

3. Management Domain のデプロイ

Cloud Builder から、VCF の Management Domain を展開します。ここでは下記の仮想マシンが展開されます。

  • vCenter Server: 1台
  • NSX Manager: 3台
  • SDDC Manager: 1台

ネステッド vSphere の外側で vSAN を利用している場合は、Management Domain のデプロイを開始する前に、あえて仮想マシン ストレージ ポリシーを FTT 0(冗長性なし)にすることで、vCenter / NSX Manager のデプロイが早くなります。

 

ちなみに、ESXi のメモリ割り当ては、ここまでを試すのであれば 64GB でも成功することがあります。しかし、この先の VI Domain のデプロイにすすむ場合は、展開される VI Domain 用 NSX Manager のサイズの都合上、96GB ないと仮想マシンが起動できずエラーになり失敗します。

 

4. VI Domain のデプロイ

SDDC Manager から、VCF の Workload Domain(VI Domain)を展開します。ここでは、Management Domain の vCenter 配下に、下記の仮想マシンが展開されます。

  • vCenter Server: 1台
  • NSX Manager: 3台
    Management Domain よりもサイズが大きく、12 CPU / 48 GB メモリ
  • SDDC Manager: 1台

リソースの少ないラボ環境なので、VI Domain のデプロイを開始するまに、Management Domain の NSX Manager 仮想マシンに設定されたメモリ予約を解除(予約を 0 GB に設定)しておきます。

さらに、ネステッド環境で vCenter や NSX Manager のデプロイに時間がかかってしまう場合は、Management Domain の「vSAN Default Storage Policy」仮想マシン ストレージ ポリシーを FTT 0(冗長性なし)にすることで、タイムアウト前に完了できるようになることがあります。

 

ちなみに、VI Domain 用 ESXi のメモリ割り当ては、ここまでの環境構築であれば 64GB(もしかしたらもう少し削減できるかも)で成功します。しかし、このさきで VI Domain に vSphere with Tanzu 環境を構築する場合には、ラージ サイズの NSX Edge 仮想マシンを展開することになります。その際に ESXi のメモリ容量は、NSX Edge の展開を成功させるだけでも 80 GB ほど必要になります。

 

以上、VCF 5.1 を展開できる自宅ラボむけマシンを探しています・・・