VMware Photon OS 5.0 で、デモで利用する簡易的な Web サーバーを構築してみます。今回は、httpd を使用します。
今回の内容です。
- 今回の環境
- 0. Photon OS 5.0 の OVA ファイルの入手
- 1. OVA ファイルのデプロイ
- 2. 初回ログイン
- 3. OS のネットワークの設定
- 4. Web サーバーの構築(httpd)
今回の環境
この Web サーバーは、下記の Avi Load Balancer ラボなどで利用する想定です。
構築する Web サーバーの概要です。
- OS:VMware Photon OS 5.0 GA(GitHub で提供されている OVA を利用)
- ホスト名:demo-web-01
- IP アドレス:192.168.80.11
- サブネットマスク長:24(255.255.255.0)
- デフォルト ゲートウェイ:192.168.80.1
- DNS サーバー:192.168.70.3
- iptables:無効
- httpd: OS バンドルのものを使用
0. Photon OS 5.0 の OVA ファイルの入手
Photon OS の OVA ファイルは、下記のページからダウンロードできます。
下記の OVA ファイルをデプロイして、パワーオンしておきます。
- ファイル:photon-hw15-5.0-dde71ec57.x86_64.ova
- https://packages.vmware.com/photon/5.0/GA/ova/photon-hw15-5.0-dde71ec57.x86_64.ova
1. OVA ファイルのデプロイ
vSphere Client から、OVA ファイルをウィザードに従ってデプロイしておきます。一般的な OVA ファイルのデプロイ手順なので、今回は省略します。
2. 初回ログイン
OVA ファイルからデプロイした仮想マシンをパワーオンして、VM コンソールから root ユーザーでログインします。初期パスワードは、ログインした直後に変更することになります。
- root ユーザーの初期パスワードは、changeme
3. OS のネットワークの設定
今回は、DHCP ではなく静的にネットワーク アドレスを設定します。ネットワーク設定ファイルを VM コンソールから作成するのは大変なので、一時的なネットワーク仮設定を実施して、SSH 接続で作業します。
3-1. ネットワーク設定(仮)
VM コンソールから一時的に IP アドレスとデフォルト ゲートウェイを設定します。
# ip a add dev eth0 192.168.80.11/24
デフォルト ゲートウェイを設定します。
# ip r add default via 192.168.80.1
ここからは SSH で接続しなおして、静的にネットワーク アドレスを設定します。
# ssh root@192.168.80.11
3-2. ネットワーク設定
ホスト名を設定します。
# hostnamectl set-hostname demo-web-01
ネットワークの設定ファイルを作成します。
# vi /etc/systemd/network/99-eth0.network
vi などのテキスト エディタを使用するかわりに、下記のようにヒアドキュメントで bash プロンプトからでも作成できます。
cat << EOF > /etc/systemd/network/99-eth0.network [Match] Name=eth0 [Network] DHCP=no IPv6AcceptRA=no Address=192.168.80.11/24 Gateway=192.168.80.1 DNS=192.168.70.3 [DHCPv4] SendRelease=no EOF
作成した 99-eth0.network ファイルの内容です。
# cat /etc/systemd/network/99-eth0.network [Match] Name=eth0 [Network] DHCP=no IPv6AcceptRA=no Address=192.168.80.11/24 Gateway=192.168.80.1 DNS=192.168.70.3 [DHCPv4] SendRelease=no
ネットワーク設定ファイルのパーミッションを変更します。
# chmod 644 /etc/systemd/network/99-eth0.network
既存の DHCP 設定ファイルを削除します。
# rm /etc/systemd/network/99-dhcp-en.network
ネットワーク設定を反映させます。
# systemctl restart systemd-networkd
OS のファイアウォールは、ラボでの動作確認を簡素化するために停止しておきます。
# systemctl stop iptables # systemctl disable iptables
4. Web サーバーの構築(httpd)
httpd をインストールして、Web サーバーを構築します。
# tdnf install httpd -y
httpd のサービスを起動て、自動起動を有効化しておきます
# systemctl start httpd # systemctl enable httpd
コンテンツ(index.html)を配置します。
# echo '<h1>demo-web-01</h1>' > /etc/httpd/html/index.html
curl コマンドで、Web サービス経由でコンテンツを取得できることを確認しておきます。
# curl 192.168.80.201 <h1>demo-web-01</h1>
そして、クライアント マシンの Web ブラウザでも、Web サーバーにアクセスできることを確認しておきます。
最後に、ネットワークと Web サーバーの構成が再起動後も保持されることを確認するため、OS を再起動しておきます。
# reboot
そして OS 再起動後に、設定が永続化されていることを確認しておきます。
- ssh root@192.168.80.11
- curl 192.168.80.11
以上、Photon OS で簡易的な Web サーバーを構築する話でした。