個人的な vSAN Advent Calendar 10日目です。
自宅ラボの vSAN 7.0 U 1 Advent Calendar 2020 - Adventar
vSAN 7.0 U1 の、共有 Witness ホストで 2ノード vSAN を構成した様子を紹介します。
vSAN 監視ホストの共有について
vSAN でストレッチ クラスタを構成する際に、監視(Witness)ホストが必要になります。この監視ホストは、物理マシンの ESXi 、もしくは「vSAN 監視アプライアンス」とよばれる、ネステッド ESXi による仮想アプライアンスで用意します。
2 ノード vSAN を構成する場合も、ストレッチ クラスタの仕組みを利用しているので、監視ホストが必要になります。
これまで、vSAN クラスタごとに 1台の監視ホストが必要でした。しかし vSAN 7.0 U1 から、2ノード vSAN であれば、複数のクラスタで監視ホストを共有できるようになりました。
今回の環境
ESXi 7.0 U1 の 2ノードクラスタを、2セット用意しました。それぞれが vSAN 7.0 U1 になります。
- 1つめのクラスタ: vsan-cluster-20201210-a
- 2つめのクラスタ: vsan-cluster-20201210-b
今回の vSAN 監視アプライアンス
監視ホストは、vSAN 監視アプライアンスで用意してあります。仮想アプライアンスは、VMware-VirtualSAN-Witness-7.0U1-16850804.ova ファイルをデプロイしたものです。
ただし、この例での監視ホストは「192.168.10.178」ですが、実際には別のスペックでデプロイしなおした別の監視ホスト「192.168.10.177」を共有監視ホストとして利用します(事情は後述)。なお、今回の投稿では ESXi での準備や OVA のデプロイ手順は省略しています。
vSAN 監視アプライアンスのスペックについての注意点
vSAN 監視アプライアンスの OVA をデプロイする際に、VM のサイズを指定できます。検証環境や 2ノード構成ではリソースを少なめに割り当てることが多いかと思いますが、最小の「Tiny」を選択したところ、共有監視ホストとして利用できませんでした。
例として、まず「Tiny」のスペックで監視ホストを用意した例を紹介します。
監視ホスト「192.168.70.178」には、「Tiny」にあたる 2 vCPU / メモリ 8GB を割り当ててあります。
この監視ホストを 1つめの vSAN クラスタの監視ホストとして選択してある状態です。
監視ホスト「192.168.70.178」の「監視」→「vSAN」→「2 ノード構成のクラスタ」を確認すると、「この監視に割り当てられたクラスタ」が、最大値 1 となっています。つまり、監視ホストあたりの登録可能なクラスタが 1つだけなので、クラスタで共有できません。
ちなみに、2つめの vSAN クラスタの監視ホストとして選択しようとしても、エラーとなり設定できません。
監視ホストのスペックを変更すると、監視可能な 2ノード クラスタ数も変化します。
vSAN 7.0 U1 の共有監視ホストと監視対象 2ノード クラスタの関係を確認してみる。 - vm.gowatana.jp
共有監視ホストの様子
「Tiny」ではリソース不足だったので、今回は「Medium」で vSAN 監視アプライアンスをデプロイしなおしてあります。下記のようなスペックです。
- IP アドレス: 192.168.10.177
- CPU(vCPU): 2
- メモリ: 16GB
(リソースの都合上、vSAN 監視アプライアンスは別の vCenter 配下の ESXi にデプロイしてあります)
vCenter 7.0 U1 に登録した、監視ホスト「192.168.10.177」です。Medium であれば、21 クラスタまで監視可能になっています。
1つめの 2ノード クラスタの構成
1つめの vSAN クラスタは、ほぼ従来からの 2ノード クラスタ構成の手順です。
クラスタの「設定」→「vSAN」→「サービス」→「構成」から、ウィザードを進めます。
「2 ノード 構成の vSAN クラスタ」を選択します。
「サービス」はデフォルトのままにしました。
vSAN ディスク グループを作成するキャッシュ / キャパシティ デバイスを選択します。
監視ホストを選択します。
(スクリーンショットでは 192.168.10.178 を選択していますが、実際には 192.168.10.177 を選択しました)
最初の vSAN クラスタで監視ホストを選択する際には、監視ホストでもディスク グループのキャパシティ / キャッシュ デバイスを選択します。
確認画面です。
1つめのクラスタに、監視ホスト「192.168.10.177」が割り当てられました。
監視ホストの「2ノード構成のクラスタ」画面でも、1つめの 2ノードクラスタが割り当てられています。
2つめの 2ノード クラスタの構成(共有監視ホストはここから)
2つめの vSAN クラスタも、1つめのクラスタと同様の手順で構成できます。ただし 2つめ以降のクラスタでは、監視ホストのディスク グループの作成が省略されます。
監視ホストは、1つめのクラスタと同じ「192.168.10.177」が割り当てられています。
監視ホスト「192.168.10.177」の「2ノード構成のクラスタ」画面でも、2つの vSAN クラスタが割り当てられたことがわかります。
この機能で、「中央のデータセンターからリモート拠点に配置した複数の 2 ノード vSAN を管理する」といったケースがあれば、監視ホストの台数が削減できるはずです。
以上、共有監視ホストを利用した 2ノード vSAN の様子でした。