「Japan VMUG vExpert が語る 第19回 」にて、vSAN 8 の新機能として発表された「Express Storage Architecture」(ESA)の検証環境の準備について LT しました。
ちなみに、この話では vSAN 8 自体はリリース前なので出てきません。
LT の概要
今回の概要としては、
- もうすぐ vSAN 8 がリリースされるらしい。
- vSAN 8 では、新アーキテクチャ「ESA」が導入されるらしい。
- 今のうちに、ESA の検証環境を構築する準備をしておこう。
です。
まず、これまでの vSAN(OSA:Original Storage Architecture)をネステッド vSphere(仮想マシンにインストールした ESXi)で構成すると、下記のようなイメージになります。
- ESXi VM あたり、仮想ディスク(VMDK)は 3種類を作成します。
(ESXi、vSAN キャッシュ、vSAN キャパシティ) - そして、仮想ディスクは、仮想 SCSI コントローラで接続します。
そして、vSAN 8 で導入される ESA で vSAN データストアを構成する場合は、下記のようになるはずです。
- ESXi 仮想マシンあたり、VMDK は 2種類を作成します。(ESXi、vSAN 用)
- そして仮想ディスクは、仮想 NVMe コントローラで接続します。
実際には、NVMe 接続が必要なのは vSAN 用デバイスのみで、ESXi をインストールする仮想ディスク(VMKD)での NVMe 接続は不要です。
下図のように、ESXi 仮想マシンの仮想ディスクを NVMe と認識させられるのであれば、ネスト外側の物理マシンでは、NVMe デバイス非搭載の少し古い ESXi だとしてもネステッド vSAN ESA 環境は構築できます。
ここで、これまでのネステッド vSAN の Tips を紹介しておきます。
vSAN(従来の OSA で構成する場合)は、ハイブリッド / オールフラッシュのデータストア構成を試すために、ESXi 仮想マシンに接続する仮想ディスクを意図的に HDD/SSD として認識させることがありました。
これは、主に次の方法のいずれか設定していました。
- ネステッド ESXi 内部の SATP ルール(これは最近は設定していなそう)
- ESXi 仮想マシンの VMX パラメータ(scsiX:Y.virtualSSD)
- vSphere Client から ハードディスク or フラッシュ としてマーク
vSphere Client でのマーク機能では、HostStorageSystem の markAsSsd / markAsNonSsd メソッドが利用されているようです。以前は SATP ルールが設定されていたのですが、現在は SATP ルールは設定されなくなりました。これは、High Performance Plugin(HPP)に置き換えられているようです。
vSAN 8 の ESA では、vSAN 用に NVMe 接続のストレージ デバイスが必要になります。
これは、上記の HDD / SSD 認識の Tips とは異なり、仮想ディスクを「仮想 NVMe コントローラ」で接続することで用意できます。仮想 NVMe コントローラは、仮想ハードウェア バージョン 13(vmx-13 / ESXi 6.5)から利用可能です。
これで、ネステッド vSAN ESA を構成できる環境を用意できるはずです。
ただし、具体的なシステム要件や、この Tips で vSAN ESA が本当に構成できるかは、vSAN 8.0 が正式リリースされてから要確認です。
ちなみに、VMware vSphere Beta(vSAN も含まれる)には、下記フォーラムにあるリンクから参加できます。
- https://communities.vmware.com/t5/Betas/ct-p/5000-home
- https://www.vmware.com/learn/291851_vSphere_Beta_Reg.html
当日の録画
以上、vSAN 8 にむけて検証環境を準備するための話でした。