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VMware Cloud Director 10.4 で Nested ESXi ラボ構築。Part-04 vApp ネットワークの作成

VMware Cloud Director(VCD)で、ネステッド ESXi のラボ環境を構築します。今回は、ネステッド ESXi 内で設定された VLAN が通過できるように構成された vApp ネットワークを作成して、疎通確認してみます。

 

全体のサマリはこちら。

 

前回はこちら。

 

今回の内容です。

 

今回の作業範囲は、下記の赤枠のあたりです。

 

1. vApp ネットワークの作成

VCD のテナント ポータルで、vApp に vApp ネットワークを作成します。

vApp「esxi-vapp-01」の「ネットワーク」を開くと、ここまでの手順で作成した、外部ネットワークのみが作成されています。

「新規」をクリックして、ネットワークを追加します。

 

「esxi-vapp-01 にネットワークを追加」画面で、vApp ネットワークのパラメータを入力して「追加」をクリックします。

  • タイプ: 隔離
  • 名前: vapp-nested-esxi-nw-01
  • ゲートウェイ CIDR: 10.0.0.1/24
    これは必須項目なので、使用する想定のない CIDR をダミーとして入力します。ネステッドESXi / 仮想マシンでは、実際には別のアドレスを利用します。 
  • ゲスト VLAN の許可: ON
    この設定により、vApp ネットワークに対応する NSX-T オーバーレイ セグメントが VLAN トランクとして作成されます。ネステッド ESXi 内の仮想スイッチで VLAN を利用するために有効化しておきます。


これで、vApp ネットワークが追加されました。

 

2. ESXi 仮想マシンの vApp ネットワークへの接続

ESXi 仮想マシンをシャットダウンして、vapp-nested-esxi-nw-01 ネットワークに接続する 2つめの NIC を追加します。

 

2-1. ESXi 仮想マシンのシャットダウン

ESXi 仮想マシンに NIC を追加するため、シャットダウンしておきます。事前に、ESXi 仮想マシンの上で起動されているネステッド仮想マシン(nest-vm01 と nest-vm02)もシャットダウンしておきます。

NIC を追加する仮想マシンで、「すべてのアクション」→「パワー」→「ゲスト OS をシャットダウン」をクリックします。

 

2-2. ESXi 仮想マシンへの NIC 1 の追加

仮想マシン「esxi01」の設定画面で「ハードウェア」→「NIC」を開き、「編集」をクリックします。

 

NIC の編集画面で、「新規」をクリックします。

追加された NIC 1 で、下記のようにパラメータを入力して「保存」をクリックします。

  • 接続済み: ON
  • ネットワーク: vapp-nested-esxi-nw-01
  • IP モード: DHCP
    ここではダミーとして DHCP を選択しておきます。

 

これで、仮想マシンに NIC 1 が追加されました。「パワーオン」をクリックして起動しておきます。

 

NSX-T Manager で確認すると、vApp ネットワークに接続された仮想マシンがパワーオンされたことで、オーバーレイ セグメントが作成されています。

このセグメントでは、これまでの設定により下記が自動設定されています。

  • VLAN: 0-4094
  • セグメント プロファイル: MAC アドレス検出 / seg-profile-mac-learn-01

 

vSphere Client から「esxi01」にあたる仮想マシンを確認すると、ネットワーク アダプタ 2 が追加され、NSX-T によるオーバーレイ セグメントが接続されています。

 

2-3. 2台目の ESXi 仮想マシンへの NIC 追加

同様に、2台目の ESXi 仮想マシン「esxi02」にも NIC を追加しておきます。

これで、esxi01 と esxi02 が、それぞれ 2つの vApp ネットワークに接続された状態になりました。

  • NIC 0: orgvdc-ext-nw-vlan-31
  • NIC 1: vapp-nested-esxi-nw-01

 

3. ネステッド ESXi での仮想スイッチ作成

ESXi 仮想マシンに追加した NIC 1 は、ネステッド ESXi では「vmnic1」として認識されます。この NIC を利用して、ネステッド仮想マシンを接続するための仮想スイッチとして「vSwitch1」を作成します。

 

3-1. vSwitch1 の作成

ここからは、Host Client で、ネステッド ESXi(esxi01 は 192.168.31.201)に接続して作業します。

「ネットワーク」→「仮想スイッチ」タブを開いて、「標準仮想スイッチの追加」をクリックします。

 

「標準仮想スイッチの追加」画面で、パラメータを入力して「追加」をクリックします。

  • vSwitch 名: vSwitch1
  • アップリンク 1: vmnic1

 

これで vSwitch1 が作成されました。

 

3-2. VLAN ポートグループの作成

vSwitch1 に、VLAN ID 10 が設定されたポートグループを作成します。 

「ポート グループ」タブを開いて、「ポート グループの追加」をクリックします。

 

「ポート グループの追加」画面で、パラメータを入力して「追加」をクリックします。

  • 名前: pg-vlan-10
  • VLAN ID: 10
  • 仮想スイッチ: vSwitch1

 

これで、ポートグループが作成されました。

 

3-3. 2台目の ネステッド ESXi での仮想スイッチ & ポートグループ作成

2台目のネステッド ESXi「esxi02」でも、同様に仮想スイッチとポートグループを作成しておきます。

  • 仮想スイッチ: vSwitch1
  • ポートグループ: pg-vlan-10

 

4. ネステッド仮想マシンでのネットワーク疎通確認

ネステッド ESXi 上に作成されたネステッド仮想マシンに、VLAN ポートグループを割り当てたうえで ping による疎通確認を実施します。

 

4-1. 仮想マシンのポートグループ変更

ネステッド ESXi 上に作成されている仮想マシン 2台に、それぞれポートグループを割り当てます。

  • esxi01 → nest-vm01
  • esxi02 → nest-vm02

 

仮想マシンには、この時点は ESXi にデフォルトで作成される「VM Network」ポートグループが割り当てられています。「編集」をクリックします。

 

「ネットワーク アダプタ 1」のポートグループ割り当てを変更して、「保存」をクリックします。

  • ポートグループ: pg-vlan-10
  • 接続: ON

 

ポートグループを変更したら、「パワーオン」をクリックして仮想マシンを起動しておきます。

 

4-2. ゲスト OS での疎通確認準備(nest-vm02)

仮想マシンのコンソールを開いて、疎通確認むけの設定を実施ます。

nest-vm02 では、ping の宛先として疎通確認しやすいようにファイアウォール(iptables)を停止したうえで、IP アドレスを設定しておきます。

iptables を停止して、無効化します。

systemctl stop iptables
systemctl disable iptables

 

nest-vm02 の eth0 に、IP アドレスを設定します。ちなみに、ip コマンドでのアドレス設定は永続化されないので、OS 再起動などの際には再設定が必要です。

ip address add dev eth0 10.0.10.12/24

 

4-3. ゲスト OS での疎通確認(nest-vm01)

nest-vm01 では、IP アドレスを設定してから nest-vm02 (10.0.10.12)宛に ping を実行して応答があることを確認します。

 

nest-vm01 の eth0 に、IP アドレスを設定します。

ip address add dev eth0 10.0.10.11/24

 

nest-vm01 から nest-vm02 (10.0.10.12)宛に ping を実行して応答があることを確認します。

ping 10.0.10.12

 

以上、VCD で ネステッド ESXi ラボを構築してみる話でした。