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VMware Cloud Director 10.4 で Nested ESXi ラボ構築。Part-03 Nested ESXi vApp の作成

VMware Cloud Director(VCD)で、ネステッド ESXi のラボ環境を構築します。今回は、前回に用意した vApp テンプレートから、ネステッド ESXi の vApp を作成します。

 

全体のサマリはこちら。

 

前回はこちら。

 

今回の内容です。

 

今回は、下記の赤枠のあたりの作業を進めます。

 

1. ESXi 仮想マシン vApp テンプレートの展開

ESXi 仮想マシンを含む vApp テンプレートから、vApp を作成します。

 

1-1. vApp テンプレートの展開

テナント ポータルで、「ライブラリ」→「コンテンツ ライブラリ」→「カタログ」にある、「catalog-02」の「vApp テンプレート」を開きます。

ESXi 仮想マシンが含まれる vApp テンプレートを選択して、「VAPP の作成」をクリックします。

  • vApp テンプレート: esxi70-vm-template-01

 

「名前の選択」画面で、vApp の名前を入力して「次へ」をクリックします。

  • 名前: esxi-vapp-01

 

「リソースの構成」画面で、vApp を展開する組織 VDC を選択して「次へ」をクリックします。

  • 組織 VDC: org-vdc-02

 

「コンピューティング ポリシー」画面では、仮想マシンを起動できるように、メモリの容量を少し増やして「次へ」をクリックします。

  • メモリ: 8GB

 

「ハードウェアをカスタマイズ」画面では、そのまま「次へ」をクリックします。

 

「ネットワークの構成」画面では、ネットワーク情報を入力して「次へ」をクリックします。ESXi 仮想マシンには「手動 IP」でアドレスを入力しても自動設定されませんが、ここでは見た目をわかりやすくするために、明示的に IP アドレスを入力しています。

  • 詳細ネットワークのネットワークフローに切り替える: ON
  • ネットワーク: orgvdc-ext-nw-vlan-31
  • IP 割り当て: 手動 IP アドレス
  • IP アドレス: 192.168.31.201

 

「設定内容の確認」で、「完了」をクリックします。

 

これで、パワーオフ状態の vApp が作成されます。

 

1-2. データストア用 仮想ディスクの追加

仮想マシンがパワーオフの状態で、VMFS データストアとして利用するためのディスクを追加しておきます。

vApp「esxi-vapp-01」 を開いて、「仮想マシン」→ 「esxi01」を開いて、「ハードウェア」→「ハード ディスク」にある「編集」をクリックします。

 

「esxi01 のハード ディスクの編集」画面で「追加」をクリックしてから、追加された 行(インデックス 1)のパラメータを入力して「保存」をクリックします。

  • サイズ: 50GB
  • ポリシー: sp-local-vmfs

 

これで、2つめのディスクが追加されました。

 

2. ネステッド ESXi の設定変更

ESXi 仮想マシンを起動して、ネットワーク設定やデータストア作成を実施します。

 

2-1. ESXi 仮想マシンの起動

ESXi 仮想マシンの「パワーオン」をクリックします。

 

「WEB コンソールの起動」をクリックしてコンソールを開き、しばらく待つと ESXi が起動するので、F2 キーを押して root ユーザでログインします。

 

2-2. ESXi のネットワーク設定

「Configure Management Network」で、ネットワーク設定をします。

 

「IPv4 Configuration」で、「Set static IPv4 address and network configuration」を選択して、アドレスなどを入力しておきます。

  • IPv4 Address: 192.168.31.201
  • Subnet Mask: 255.255.255.0
  • Default Gateway: 192.168.31.1

 

「DNS Configuration」では、ESXi 接続時にわかりやすいようにホスト名を設定しておきます。今回は省略していますが、必要に応じて DNS サーバのアドレスもここで設定しておきます。

  • Hostname: esxi01

 

DCUI のログイン前画面に戻ると、設定したホスト名と IP アドレスが表示されているはずです。

 

2-3. Host Client でのアクセス確認

Web ブラウザから、前手順で ESXi に設定した IP アドレスにアクセスします。このラボでは ESXi のホスト名を DNS で名前解決していないので、IP アドレスで接続します。

  • esxi01: 192.168.31.201

Host Client にアクセスすると証明書エラーが表示されるはずですが、これは無視して進めます。

 

Host Client には、root ユーザでログインします。

 

初回ログイン時に表示される「VMware カスタマイズ エクスペリエンス改善プログラムに参加」は、検証環境なのでチェックを OFF にして「OK」をクリックします。

 

2-4. VMFS データストアの作成

今回作成した vApp テンプレートでは、ESXi 仮想マシンがブート ディスクのみで構築されていて、データストアは作成していません。これからネステッド仮想マシンを配置するために、追加したディスクで VMFS データストアを作成しておきます。

 

「ストレージ」→「デバイス」では、vApp 作成後に追加した 50GB のディスクが認識されていることが確認できます。「新しいデータストア」をクリックします。

 

ウィザードに従って、下記のように VMFS データストアを作成しておきます。

  • データストア名: ds-local-esxi01

 

3. ネステッド仮想マシンの起動

ネステッド ESXi の上に、接続確認などで利用するために仮想マシンを起動しておきます。今回も Photon OS 4.0 の OVA を利用します。

 

3-1. OVA のデプロイ

Host Client での OVA ファイルのデプロイは、「仮想マシンの作成/登録」から実施します。

 

「作成タイプの選択」で、「OVF ファイルまたは OVA ファイルから仮想マシンをデプロイ」を選択して「次へ」をクリックします。

 

「OVF ファイルと VMDK ファイルの選択」画面で、仮想マシンの名前と OVA ファイルを指定して、「次へ」をクリックします。

  • 仮想マシンの名前: nest-vm01
  • OVA ファイル: photon-ova_uefi-4.0-c001795b80.ova

 

「ストレージの選択」では、さきほど作成したデータストアを選択した状態で「次へ」をクリックします。

  • データストア: ds-local-esxi01

 

「使用許諾契約書」の「同意します」をクリックしてから、「次へ」をクリックします。

 

「デプロイのオプション」画面で、ネットワークのマッピング、ディスクプロビジョン形式、自動パワーオンの有無を指定して「次へ」をクリックします。

  • ネットワーク マッピング: デフォルトのまま「VM Network」
  • ディスク プロビジョニング: シン
  • 自動的にパワーオン: OFF

 

「設定の確認」画面で「完了」をクリックすると、デプロイ処理が開始されます。

 

少し待つと、仮想マシンがデプロイされます。

 

3-2. 仮想マシンの起動

仮想マシンを選択して、「パワーオン」をクリックします。

 

ネステッド仮想マシンには、このラボの構成ではネットワーク接続する経路を用意しないので、Host Client のコンソールから操作します。

「コンソール」→「ブラウザ コンソールを開く」で、Web ブラウザ内でコンソールを開くことができます。

 

少し待つと Photon OS が起動されるので、root ユーザ(デフォルト パスワードは changeme)でログインして、パスワードを再設定しておきます。

ちなみに、ここでのパスワード変更では「VMwre1!」のような複雑性が足りない文字列が設定できません。ラボのパスワード統一などのために「VMware1!」を設定する場合には、ここでは充分に複雑なパスワード変更して、あとで passwd コマンドで再設定します。

 

4. 2台目の ESXi 仮想マシンの追加

vApp「esxi-vapp-01」に、仮想マシン「esxi02」を追加します。vApp に 2台目以降の ESXi を追加する場合にも、vApp テンプレートを使用します。

ここからは、VCD のテナント ポータルの組織 VDC「org-vdc-02」で作業を進めます。

 

4-1. 仮想マシンの追加

「コンピュート」→「vApp」を開いて「esxi-vapp-01」をクリックして設定画面を開きます。「すべてのアクション」→「追加」→「仮想マシンの追加」をクリックします。

 

「仮想マシンを esxi-vapp-01 に追加」画面で、「仮想マシンの追加」をクリックします。

 

「新しい仮想マシン」画面で、パラメータを指定して下にスクロールします。

  • 名前: esxi02
  • コンピュータ名: esxi02
  • タイプ: テンプレートから
  • テンプレート: esxi70-vm-template-01
    • 仮想マシン: esxi01

 

NIC のパラメータを指定して、「OK」をクリックします。

  • 接続中: ON
  • ネットワーク: orgvdc-ext-nw-vlan-31
  • IP モード:  固定 - 手動
  • IP アドレス: 192.168.31.202

 

「仮想マシンを esxi-vapp-01 に追加」画面に戻るので、「追加」をクリックします。

 

これで、vApp に仮想マシン「esxi02」が追加されました。

 

4-2. 仮想マシンの設定変更

追加した仮想マシンの設定を調整しておきます。

ネステッド ESXi で仮想マシンを起動するため、メモリ容量を追加しておきます。

「esxi02」をクリックして設定画面を開いて、「ハードウェア」→「コンピュート」にある「編集」をクリックします。

 

「コンピューティングの編集」で、メモリ容量を変更して「保存」をクリックします。

  • メモリ: 8GB

 

さらに、1台目の ESXi 仮想マシンと同様に、データストア用にハードディスクを追加しておきます。

 

ここまでの作業で、vApp「esxi-vapp-01」に、2つの仮想マシン(esxi01 と esxi02)が作成されている状態になりました。

 

4-3. 2台目の ESXi の起動 ~ 仮想マシンの作成

「esxi02」をパワーオンして、esxi01 と同様に、ESXi のネットワーク設定、データストアの作成、検証用の仮想マシンの作成を実施しておきます。これには、esxi02 に対してもここまでの手順(下記のあたり)を実施しておきます。

 

ここまでの作業で、vApp には ESXi 仮想マシン(ネステッド ESXi)が 2つ作成されてパワーオンされた状態になっています。

vSphere Client でも、vApp に対応した仮想マシン フォルダが作成され、2台の仮想マシンが含まれていることが確認できます。

 

つづく。