VMware Cloud Foundation(VCF)5.2.1 の Management Workload Domain で、vCenter Server 単体をアップデートしてみます。
今回の内容です。
- 今回の環境
- 1. 使用可能な更新の確認(パッチ適用の計画)
- 2. パッチ(ソフトウェア バンドル)のダウンロード
- 3. vCenter Server のアップデート
- 4. アップデート後の様子
- おまけ:アップデート後の VI Workload Domain 作成
ドキュメントでは、下記のあたりが参考になります。
今回は、以前に公開された Security Advisory VMSA-2024-0019 の修正バージョンである、vCenter Server 8.0 U3d にアップデートしてみます。
今回の環境
VCF 5.2.1 で、Management Workload Domain(vcf-m01)を展開してあります。
SDDC Manager は、最新の状態(5.2.1.0)です。
VCF 5.2.1.0 の vCenter Server は、8.0 U3c(ビルド番号は 24305161)です。
SDDC Manager には、Broadcom Support Portal アカウントを設定してあります。
1. 使用可能な更新の確認(パッチ適用の計画)
SDDC Manager で、「ワークロード ドメイン」→ Management Workload Domain(vcf-m01)を開きます。
「更新」タブを開き、下にスクロールします。
vCenter Server(の FQDN)を確認すると、8.0 U3c のビルド番号(24305161)が表示されています。
「パッチ適用の計画」をクリックして、使用可能な更新を確認します。
「VMware vCenter Server Appliance」を選択すると、ターゲット バージョンが選択可能になるので、8.0 U3d である「8.0.3.00400-24322831 (RDU をサポート)」を選択して、「確認」をクリックします。
ちなみに、このバージョンでは RDU(ダウンタイムの短縮アップグレード機能)がサポートされています。(でも今回は U3c → U3d なので、アップグレードというよりアップデート)
「完了」をクリックします。
これで「使用可能な更新」に、vCenter のパッチを含むバンドルが表示されます。
2. パッチ(ソフトウェア バンドル)のダウンロード
「使用可能な更新」に表示された、「今すぐダウンロード」をクリックします。
ダウンロードがスケジュールされるので、少し待ちます。
少し待つと、ダウンロードが開始されます。20GB ほどあるので、そこそこ待ちます。
ダウンロード後に、ファイルの検証でさらに待ちます・・・
ダウンロード処理が完了すると、「アップデートの構成」ボタンが表示されます。
3. vCenter Server のアップデート
ひきつづき「更新」タブで、「アップデートの構成」をクリックします。
「アップデート メカニズム」画面が表示されるので、今回は「vCenter Server のダウンタイム短縮更新」を選択して、「次へ」をクリックします。
「バックアップ」の有無を確認する画面が表示されるので、「I have backed up the vCenter Server」を選択して「次へ」をクリックします。
「一時的なネットワーク」に、新規 vCenter Server Appliance に一時的に設定されるアドレスを入力して「次へ」をクリックします。
- ネットワークの構成:STATIC
- IP アドレス:192.168.70.19 ※未使用の IP アドレスを指定する
- サブネット マスク:255.255.255.0
- ゲートウェイ:192.168.70.1
「アップデート スケジューラ」のオプションを指定して、「次へ」をクリックします。
- スケジュール設定の更新準備オプションの選択:Immediate
- 切り替えスケジュール設定オプションを選択:Automatic
確認画面で「完了」をクリックすると、処理が開始されます。
「スケジュールされた更新」に、アップデートの情報が表示されます。
タスクが開始されるので、ひたすら待ちます。「進行」の下にある「詳細表示」を開いてみます。
処理中・・・
しばらく(長いと数時間)待つと、タスクが完了します。あらためて「進行」の下にある「詳細表示」を開いてみます。
アップデートが成功していそうです。
4. アップデート後の様子
画面を更新して、ワークロード ドメインの「更新」タブを確認すると、進行中の更新や、スケジュールされた更新はない状態です。画面を下にスクロールします。
vCenter Server のビルド番号がアップデートされています。ビルド番号のリンクをクリックして開きます。
適用したソフトウェアの情報が表示されます。
vSphere Client にログインすると、画面上部に緑色のアップデート メッセージが表示され、vCenter のビルド番号が上がっていることが確認できます。
おまけ:アップデート後の VI Workload Domain 作成
Management Workload Domain を vCenter Server 8.0 U3d にアップデートすると、その後に作成する VI Workload Domain も自動的に 8.0 U3d で作成されます。
ただし、ただ VI Workload Domain を作成するとインストール バンドルがないためエラーになるので・・・
パッチとは別に、vCenter Server 8.0 U3d の「インストール専用バンドル」をダウンロードしておく必要があります。
以上、VCF 5.2.1 の Management Workload Domain で、vCenter Server 単体をアップデートしてみる話でした。