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自宅ラボ NSX-T 3.1 の構築。Step-01: はじめに

※あたらしい NSX 4.1 のラボ構築は こちら をどうぞ。


 

自宅で手軽に NSX-T の機能を確認できるように、ネステッド ESXi のラボを構築してみます。
以前に VMTN のブログで紹介していたものを、NSX-T 3.1 むけに更新して紹介します。

 

今回のラボ構成の方針

最初に、この自宅ラボで考えていること、期待することなどを残しておこうと思います。

 

ソフトウェア

現時点で NSX-T に取り組む場合は、新技術のキャッチアップを目的とすることが多いかなと思います。そこで、ソフトウェアはできるだけ新しいものを利用します。

  • NSX-T 3.1
  • vCenter Server 7.0 U1c / ESXi 7.0 U1c

 

ただし、無用なトラブルを避けたいので、ネストの外側になる(物理ホスト側の)では、vSphere 6.7 U3 を利用しています。

ちなみに、ライセンスは評価版を利用します。VMware 社のサイトで 60日間の評価版を申し込むと、2021年1月時点では NSX-T 3.1 がダウンロードできます。

 

物理ホスト

物理ホストはおもに Intel NUC (NUC6i3SYH) を複数台使用します。

  • CPU: Intel(R) Core(TM) i3-6100U CPU @ 2.30GHz ※2コア / 4 スレッド
  • メモリ: 64GB
  • NIC: 1Gbps x 1
  • ストレージ: All Flash vSAN。ただしネットワークは 1Gbps・・・

 

NSX-T の基本的な機能を試すには、CPU のスレッド数がネックになりそう(このマシンでは、最大 4 vCPU までが割り当て可能)かなと思います。メモリは、NSX Intelligence のような機能を使わない限りは大丈夫かなと・・・

どうしてもスペックが足りない場合は、別マシンをその時だけ利用するつもりです。

 

VM 配置とリソース割り当て

私の自宅ラボには、完全に NSX-T の製品要件をみたせるスペックのマシンがないので、VM 配置/リソース設定に工夫をしています。

  • 手軽さを考えると物理マシン 1台でネスト環境を構成したいが、スペック不足のため複数台の物理 ESXi ホストを使用。
  • VCSA と NSX-T Manager などはリソース割り当てが大きいので、あえてネスト環境よりも外側に(NSX-T 環境の vCenter より外側の、物理ホスト上に)配置。
  • 各 VM の台数やリソース割り当ては、推奨値以下のものもあり。
  • NSX Manager は VM のリソース予約を解除。そしてクラスタ構成ではなくシングル構成にする。
  • NSX Edge は 2台用意するが、最小のサイズ。スペックが必要な場合は 1台にして CPU / メモリを一時的に追加する。
  • ネステッド ESXi でのメモリ使用量削減のため、共有データストアは vSAN を使用せず NFS。

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ネットワーク構成

ネットワーク構成は、NSX-T を構成するコンポーネントの理解と、UI / API の操作感の確認しやすさを優先しています。そもそも物理ホストが 1Gbps NIC x1 の構成なので、パフォーマンスや耐障害性の確認などはスコープ外と考えています。

  • NSX Edge は、あえてオーバーレイ ネットワークを構成する Compute クラスタ(ホスト トランスポート ノード)とは別のクラスタに配置。これは、ESXi のトランスポート ノードと、Edge トランスポート ノードの、ESXi の構成差異を見やすくするため。
  • 外部ネットワークと NSX ネットワークの境界になる Tier-0 ゲートウェイでは、ルーティング プロトコルなしで、スタティックルートで NSX のネットワークへ。
  • オーバーレイの TEP(GENEVE のトンネル エンド ポイント)では、Host / Edge で別の VLAN ID を付与。NSX-T の製品仕様の問題で別 VLAN にしているケースがあるかなと思うため。
  • オーバーレイ ネットワークを利用する Compute クラスタでは、3ノードの ESXi を用意。通信元 / 先 / それ以外、のホストが欲しいため。
  • NFS データストア接続と vMotion ネットワークは、vmk0 の管理ネットワークを兼用。NSX とは直接的に関係しないため。
  • オーバーレイ ネットワークで利用する pNIC ポート(ESXi VM の vNIC)はあえて複数用意する。アップリンク プロファイルを理解しやすいように、vmnic1 + vmnic2 のように冗長構成っぽくする。
  • 「外部ネットワーク」役のルータは、じつは自宅ラボに既設の NSX-V Edge Service Gateway です。

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それでは、NSX-T 環境構築をすすめていきます。

 

つづく。