NSX-T 3.2 から、vSphere Client 経由で NSX-T をセットアップできるようになりました。そこで、ためしにラボ環境を構築してみます。
ドキュメントでは下記のあたりです。
今回の内容です。
今回の環境
まず、ソフトウェアは下記を利用します。
この機能は vSphere 7.0 U3 で追加されました。そのため、vCenter Server は 7.0 U3 以降を利用する必要があります。
- NSX-T 3.2.0.1
- vCenter Server 7.0 U3c
- ESXi 7.0 U3c
今回構築するラボ構成のイメージです。
今回の検証環境も、ネスト環境を利用しています。
- vCenter Server Appliance は必要リソースが大きいので、ネスト環境の外側に配置してあります。
- NSX Manager は、vSphere Client からデプロイする都合上、ネストの内側に配置します。
- NSX Manager のデプロイ先を、NSX-T をインストールするクラスタにすることでESXi 台数を削減しています。できれば、NSX Manager はクラスタを分けたほうがよいかなと思います。
- ホストをまたぐ通信の様子を確認するような検証のために、NSX-T をインストールするクラスタに、ESXi を2台用意しています。
- ただ、今回の検証ではとりあえずセットアップの様子を確認するべく、ネストの ESXi は 1台でも十分だったかなと思いました。
ESXi VM のスペックは下記です。
- vCPU: 4。デプロイする NSX Manager が 4 vCPU のため。
- メモリ: 24GB。NSX Manager が 16GB 設定のため。(少し余裕が必要で、20GB では起動不可だった)
- 仮想ディスク: 200GB Thin Provisioning(ローカル VMFS データストア用)
- vNIC: 2(vSS 接続 x1、vDS 接続 x1)
事前準備
今回は、vSphere Client から NSX Manager をデプロイするための事前準備をします。
vSphere クラスタの構成
vCenter と ESXi は事前に構築ずみです。vSphere クラスタを作成して、ESXi 2台を参加させてあります。
冒頭でリンクを紹介したドキュメントでは、vSphere DRS と vSphere HA を有効化しておくように記載がありまました。しかし、今回はラボ環境でローカル データストアを利用するということもあり、無効のままでもウィザードで止められたりはせず、とりあえず NSX Manager のデプロイは可能でした。
vDS のセットアップ
NSX-T 3.x では分散仮想スイッチ(vDS)が必要になるので、あらかじめ作成し、ESXi を接続しておきます。
ちなみに、ネスト環境を利用しているので、アップリンクにはあえて1ポートのみ接続してあります。
管理ネットワーク ポートグループの用意
NSX Manager の vNIC を接続するポートグループを事前に作成しておく必要があります。今回は分散ポートグループではなく、vSS の標準ポートグループとして作成してあります。
※スクリーンショットは、NSX Manager デプロイ後のものです。
データストアの用意
とりあえず、200 GB の VMFS ローカル データストアを用意してあります。
NSX Manager はシック プロビジョニングだと 300 GB(+ メモリ容量)が必要になります。しかし今回はシン プロビジョニングでデプロイするので、少なめの容量にしてあります。検証用の Linux VM であれば、何台か配置できるはずという見積もりです。
ただし、本来であれば共有データストアを用意する方がよいかなと思います。
次回は、NSX Manager をデプロイします。
つづく。