より新しい vSphere 8.0 U2 でのラボ構築はこちらをどうぞ。
vSphere 7.0 の vSphere with Tanzu 自宅ラボ環境を構築した様子を伝えします。
vSphere with Tanzu の Kubernetes クラスタ
vSphere with Tanzu では、2種類の Kubernetes クラスタが利用できるようになります。
vSphere with Tanzu によるワークロード管理を有効化した vSphere クラスタは、 スーパーバイザー クラスタと呼ばれ、vCenter のインベントリで「名前空間(Namespace)」が作成できるようになります。この機能は Workload Control Plane(WCP)と呼ばれてていました。
スーパーバイザー クラスタでは、ESXi が Kubernetes の ワーカー ノードになります。そして名前空間には、vSphere Pod と呼ばれる特殊な Kubernetes Pod や、Tanzu Kubernetes クラスタが作成できます。
簡単にそれぞれの特徴を紹介します。
スーパーバイザー クラスタ
- Kubernetes の機能が組み込まれた vSphere クラスタ。vSphere クラスタで「ワークロード管理」が有効化されたもの。
- Kubernetes クラスタの制御プレーン ノードの役割をもつ仮想アプライアンスが、自動デプロイされる。そしてワーカー ノードの役割をもつのは ESXi ホスト。
- vSphere 上で Kubernetes リソースを稼働させることができ、スーパーバイザー名前空間や vSphere Pod などが作成できるようになる。Kubernetes は vSphere むけにカスタマイズされていて、アップストリームの Kubernetes にはない制限もある。
- 「vSphere Pod」では、Pod が作成されるたびに Pod 専用の VM が起動される。ただし作成するには NSX-T が必要。
Tanzu Kubernetes クラスタ
- スーパーバイザー クラスタの「スーパーバイザー名前空間」に、「Tanzu Kubernetes Grid」を利用して作成される Kubernetes クラスタ。
- ゲスト OS での Kubernetes クラスタを構成する。つまり VM として Kubernetes の制御プレーン / ワーカー ノードが作成される。「ゲスト クラスタ」とも呼ばれる。つまり、vSphere Client から見えるのはワーカー ノードを担当する VM まで。
- アップストリームの Kubernetes がそのまま利用できる。「コンテナ ホストの VM」によるノードで構成される Kubernetes クラスタで、vSphere Pod ではなく、普通の Pod を起動することになる。
vSphere 環境でスーパーバイザー クラスタを有効化したうえで、そこに Tanzu Kubernetes クラスタを作成します。
vSphere 7.0 GA
vSphere with Kubernetes(with Tanzu ではなく)と呼ばれていたころの投稿です
NSX-T
vSphere 7.0 GA 時点では、NSX-T が必須でした。
環境説明、vSphere / データストアまわりの準備
NSX-T 関連の準備
- Part-04: NSX Manager デプロイ編
- Part-05: NSX Manager 設定編
- Part-06: ホスト トランスポート ノード準備編
- Part-07: NSX Edge デプロイ編
- Part-08: NSX Edge 設定編
- Part-09: Tier-0 ゲートウェイ作成編
スーパーバイザー クラスタの作成
Tanzu Kubernetes クラスタの作成
- Part-13: Tanzu Kubernetes クラスタ準備編
- Part-14: Tanzu Kubernetes クラスタ作成編
- Part-15: Tanzu Kubernetes クラスタへの接続 / Pod 起動編
- Part-16: Tanzu Kubernetes クラスタでの PSP 使用 / Deployment 作成編
vSphere 7.0 U1
vSphere 7.0 U1 から、NSX-T のかわりに、vDS + HAProxy が選択可能になりました。
NSX-T
vSphere 7.0 U1 でのスーパーバイザー クラスタを NSX-T ありで構成する手順は、少し変更があります。たとえば、TKG のコンテンツ ライブラリは「ワークロード管理」有効化前に作成しておくことが必要になりました。
vDS + HAProxy
vSphere の vDS(NSX-T なし)+ HAProxy のラボを構築します。
NSX-T を利用した場合と同様に、スーパーバイザー クラスタを有効化したうえで、そこに Tanzu Kubernetes クラスタを作成します。ただし、NSX-T がないため vSphere Pod は作成できません。
vSphere 7.0 U2
vSphere 7.0 U2 から、HAProxy のかわりに NSX Advenced Load Balancer(NSX-ALB)が選択可能になりました。NSX-ALB は、Avi Networks の Avi Vantage が改名されたロードバランサです。
vDS + NSX Advenced Load Balancer(Avi)
NSX-T を利用した場合と同様に、スーパーバイザー クラスタを有効化したうえで、そこに Tanzu Kubernetes クラスタを作成します。そして、HAProxy を利用する場合と同様で、vSphere Pod は作成できません。
Enterprise Edition
- Part-01 事前準備編
- Part-02 NSX-ALB コントローラのデプロイ
- Part-03 NSX-ALB コントローラでの準備
- Part-04 スーパーバイザー クラスタの構成
- Part-05 Tanzu Kubernetes クラスタの作成
Essentials Edition
こちらは Tanzu Basic / Standard に含まれる NSX-ALB Essentials を利用します。
以上。